飯盒(はんごう)で炊き立てご飯が楽しめるのは、キャンプの醍醐味のひとつ。炊飯はもちろん、飯盒があれば色々な料理を作って楽しむことができます。今回は飯盒でのご飯の炊き方からオススメ料理のレシピ、そして飯盒の選び方やオススメ商品まで、一挙ご紹介します。
飯盒がキャンプで大活躍!メスティンとの違いもチェック
「飯盒(はんごう)」とは、食糧を入れて携帯し、野外でご飯を炊いたり調理に使ったりする容器のこと。
炊飯器+お弁当箱の役割を1つでまかなえる、昔ながらの便利アイテムとも言えます。
「キャンプでやってみたいこと」として多くの人が挙げるのが、そんな「飯盒」を使ってお米を炊く「飯盒炊さん」です。
飯盒があれば、屋外でも簡単に美味しいお米を炊くことができます。
さらに実は、キャンプでは飯盒を活用して、炊飯以外にも色々な料理を作ることができるんですよ。
飯盒の種類はさまざまで、自衛隊でも使われる「兵式型」は、多くの人が「飯盒」としてイメージするのではないでしょうか。
このほかにも、初心者にも使いやすい「筒型」や、「角型」の飯盒があります。
なかでも角型飯盒は、「メスティン」として近年キャンパーの間で人気を集めており、さまざまなメーカーが販売しています。
メスティン(messtin)は英語で「食事+缶」を意味し、もともと兵士が食料を入れて持ち運んだり、配給を受け取るのに使われていたものです。
炊飯のほか「焼く」「煮る」「蒸す」など調理方法は自由自在で、多くのキャンパーが愛用しています。
飯盒をキャンプで使ってみよう!炊飯以外の使い方をレシピ付きで徹底解説
飯盒といえばお米を炊くイメージが強いと思いますが、実は作れる料理のバリエーションはとても豊富なのです。
ここからは、飯盒を使ってキャンプで作れる料理をレシピ付きでご紹介します。
使い方【1】炊飯する
固形燃料とストーブがあれば、メスティンで簡単にご飯を炊くことができます。
難しい火加減の調整をしなくても、美味しく炊けるので、初心者でも安心。
【材料(1~2人分)】
- 米:1合
- 水:適量(米が浸る程度)
【作り方】
- メスティンに米1合と水を入れて30~60分ほど浸水させる
- メスティンを焚き火台にのせ、固形燃料に着火して消えるまで待つ(約20~30分)
- 火が消えてから20分ほど蒸らす
使い方【2】煮込み調理する:豆乳クラムチャウダー
メスティンで作る、アサリの出汁が美味しい豆乳クラムチャウダーは、朝食にパンと一緒に食べると最高!
味付けは塩コショウだけで美味しく、自宅で野菜に火を通しておくことで時短になります。
【材料】
- アサリ(冷凍や缶詰)
- にんじん
- じゃがいも
- 豆乳
- 塩こしょう
- 片栗粉
【作り方】
- にんじんとじゃがいもは皮をむいて食べやすい大きさに切り、レンジで3~4分加熱しておく(キャンプの場合は自宅で加熱したものを持参すると楽です)。
- メスティンに片栗粉以外の食材と調味料を入れる。
- 中火で熱し、ふつふつと沸騰してきたら弱火にして10分ほど煮込む。
- 水で溶いた片栗粉を混ぜ、とろみがついたら完成!
使い方【3】蒸し器にする:シュウマイ
メスティンの中に網を入れることで、蒸し料理も作ることができます。
小籠包やアンマンなど、メスティンに入るサイズなら簡単に蒸すことができます。
今回はシュウマイの作り方をご紹介します。
【材料(1人分)】
- 市販のしゅうまい:適量
- 水:適量
【道具】
- 長バット網(18cm)
- クッキングシート
- ガスコンロやバーナー
- バーナーパッド
【作り方】
- ガスコンロやバーナーの上にバーナーパットを敷き、網を入れたメスティンを火にかけ、網の高さまで水を入れて沸騰させます。
- 沸騰したら、クッキングシートを網の上に敷き、しゅうまいを入れて蓋をしてください。
- 時間は、しゅうまいのパッケージに書かれている加熱時間を参考に蒸します。今回は中火で5分蒸しました。
- 火が通ってしゅうまいが柔らかくなったら出来上がりです。
使い方【4】燻製器にする
蒸し料理と同様、網を使うことでメスティンで燻製も作れます!
メスティンは熱伝導率が高く、煙の漏れも少ないため、わずか10分ほどで出来上がります。
【材料】
燻製にしたい食材(ゆで卵、6Pチーズ、ソーセージなど)
【道具】
- 底に敷く網
- アルミホイル
- お好みのスモークチップ
【作り方】
- まず、メスティンの内側を覆うようにアルミホイルを敷きます。
- アルミホイルの上にチップを少量載せます。チップは大匙1~2程度あれば十分です。
- 食材を入れてフタをしたメスティンを、バーナーに乗せて加熱していきます。
- 加熱を始めると、ほんの数分でよい香りと共に煙が漏れてきます。10分ほどで完成です。
使い方【5】オーブンにする:パウンドケーキ
メスティンとホットケーキミックスを使えば、自宅のオーブンで作るようなパウンドケーキが作れます!
バナナやドライフルーツやナッツなどを混ぜたり、牛乳を豆乳に変えてヘルシーにしたりと、さまざまなアレンジが楽しめます。
【材料】
- 市販のホットケーキミックス・・・1袋(150g)
- 牛乳・・・100ml
- 卵・・・1個
- 生クリーム・・・適量
- いちご・・・適量
【作り方】
- メスティンに生地がくっつかないようクッキングシートを敷き、ホットケーキミックスの材料をパッケージの分量通りに混ぜ合わせ、メスティンに流し入れます。
- 材料を流し入れたら、メスティンからはみ出たクッキングシートの余分な部分は切り落としましょう。
- フタをして、極弱火で10分ほど火にかけます。
- いったんフタを開け、フタを下にした状態で極弱火で5分ほど火にかけます。
- 生クリームとイチゴを添えて完成。
自分にぴったりな飯盒を見つけよう!キャンプにおすすめな飯盒の選び方
飯盒はさまざまな商品が販売されているので、どれがいいのか迷ってしまうかもしれません。
そこで、ここからはキャンプにおすすめな飯盒の選び方をご紹介します。
選び方【1】形状
まず重要となるポイントが、形状です。主に兵式型、筒型、角形の3種類に分けられます。
・兵式型
兵式型は、昔ながらのオーソドックスな飯盒で、そら豆のような少しゆがんだ楕円形が特徴。
本体に加えて外フタと中フタが付いており、お皿として使ったり、中フタでお米を計量することもできます。
筆者は知人から譲り受けた、兵式型の飯盒を愛用しています。
おコゲもできてとても美味しく、使い方も簡単なので炊飯に失敗したことはほとんどありません。
たまに底のほうにお米がこびり付いてしまうこともありますが、コンソメなどのスープを足して雑炊にしたりしています。
・筒型
筒型は、熱の周りが良くムラなく炊くことができ、洗いやすいので、初心者にも使いやすい飯盒です。
5合炊きなど大容量の商品もあり、ファミリーキャンプやグループキャンプにも便利です。
ただしサイズが大きめでかさばりやすいので、中にカトラリーや食材などを入れて収納を工夫すると良いですね。
・角型
角型は四角い形の飯盒で、近年「メスティン」がキャンパーの間でブームになっています。
収納しやすく小ぶりなタイプが多く、ソロキャンプにも最適です。
色々な料理に使いやすいですが、角の近くは熱が伝わりにくいので注意しましょう。
選び方【2】容量
次に重要なのが「容量」。
- 兵式型・筒型:4合炊きの商品が中心で、筒型は5合炊きの大容量の商品もあります。
- 角型(メスティン):容量700ml~800mlで、1.8合~2合炊ける商品が中心です。
メスティンは、1合炊きや3合炊きなど、同じメーカーから複数サイズが展開されていることも多いので、炊飯用とおかず用に複数用意するのもオススメ。
いつ誰と、何を食べるのかイメージしながら必要な容量を考えてみましょう。
例えば筆者の場合、14時ごろキャンプ場にチェックインし、翌日11時ごろチェックアウトする1泊2日のキャンプが中心なのですが、朝食は手軽にホットサンドなどで済ませます。
そのため飯盒が登場するのは夕食のタイミング。4合炊きの兵式飯盒で2合分のお米を炊き、大人2人と子供2人で食べきります。
BBQグリルの炭火で魚や肉を焼きながら、シングルバーナーで炊飯しています。
選び方【3】素材
飯盒に使われる素材は、一般的にアルミ製となっています。
チタンや鉄、ステンレスの商品もありますが、アルミは軽くて熱伝導性に優れ、多くの飯盒に採用されています。
迷ったらアルミ製のものを選ぶと良いでしょう。
キャンプで人気の飯盒をチェック!シーンや形状ごとにおすすめの商品を紹介
ではここから、キャンプで人気の飯盒をご紹介していきます。
ソロキャンプ、デュオキャンプ、ファミリーキャンプにおすすめの飯盒を、それぞれ筒型、兵式型、角型と形状ごとにご紹介します。
【ソロキャンプにおすすめの筒型飯盒】キャプテンスタッグ/林間 丸型ハンゴー(4合炊き)
- サイズ:(約)外径155×高さ135mm
- 重量:(約)360g
- 材質:アルミニウム(表面加工:アルマイト加工、エポキシ樹脂塗装)、フックハンドル:鉄(エポキシ樹脂塗装)
- 特徴:4合炊き
- 原産国:中国
キャプテンスタッグの「林間丸型ハンゴー(4合炊き)」は、シンプルで使いやすいアルミ製の丸型飯盒。
丸型なので洗いやすく、小物や食材も収納しやすいので、ソロキャンプでストレスなく愛用できるでしょう。
【ソロキャンプにおすすめの兵式飯盒】キャプテンスタッグ/林間 兵式ハンゴー(4合炊き)
- サイズ:(約)幅180×奥行110×高さ135mm(本体のみ)
- 重量:(約)340g
- 材質:アルミニウム(表面加工:アルマイト加工、エポキシ樹脂塗装)、フックハンドル:鉄(エポキシ樹脂塗装)
- 特徴:4合炊き
キャプテンスタッグの「林間兵式ハンゴー(4合炊き)」は、手軽に美味しいご飯が炊ける、リーズナブルなアルミ製の兵式型飯盒です。
シンプルなデザインなので洗いやすく、中ブタは約お米2合分の容量なので、軽量カップも不要です。
高さが14cm~15cm程度の兵式型飯盒も多いなか、高さが13.5cmと浅めなので、荷物をコンパクトにしたいソロキャンプに最適です。
【ソロキャンプにおすすめの角型飯盒】trangia(トランギア) メスティン TR-210
スウェーデンのメーカー「trangia(トランギア)」のメスティンは、炊飯のほか、煮物・茹で物・炒め物・蒸し物・燻製など多用途に使えるアルミ製の角型飯盒です。
サイズが2種類あり、レギュラーサイズは約1.8合まで、ラージサイズは約3.5合までご飯を炊くことができます。
ソロキャンプなら、よりコンパクトなレギュラーサイズがおすすめ。
- 重量:150g
- サイズ:17×9.5×6.2cm
- 容量:750mℓ
- 素材:アルミ製(無垢)
- 炊はんの目安:約1.8合まで
【デュオキャンプにおすすめの筒型飯盒】オオイ金属/飯盒 丸型5合炊き
- 直径×高さ (mm) : 170×160
- 材質 : アルマイト塗装
- 原産国:日本
オオイ金属の「飯盒 丸型5合炊き」は、最大5合炊ける、アルミ製の丸型飯盒。
アルマイト塗装されているためシーズニングが不要で、すぐに使うことができます。
炊飯のほかにも、煮込み料理やスープなど、デュオキャンプでの多彩な料理を楽しめます。
【デュオキャンプにおすすめの兵式飯盒】Boundless Voyage/チタンメスキット
- 材質/ 99.8% チタン(本体)、スチール(専用吊りロープ)
- 重量(本体)/総 約 212g
- 仕様/[収納時] 約135.0mm × 86.0mm × 98.5mm
[600ml] 約120.0mm × 75.0mm × 97.5mm/[300ml] 約125.0mm × 80.0mm × 49.5mm - 付属品/600ml × 1; 300ml × 1; 専用吊りロープ × 1; フタ × 1; メッシュ収納バッグ × 1
Boundless Voyageのチタン製兵式飯盒「チタンメスキット」は、600mlと300mlの2サイズがセットになっており、多用途に活用できます。
軽量でさびにくいチタンで作られており、耐久性が高く、長く愛用することができます。
飯盒のほか、弁当や鍋、カップ、ランチボックスとしても使うことができ、デュオキャンプがさらに楽しくなるはず。
【デュオキャンプにおすすめの角型飯盒】MiliCamp(ミリキャンプ)/メスティン
- 容量:800ml
- 重さ:165g
- 炊はんの目安: 約2.0合まで
MiliCamp(ミリキャンプ)のメスティンは、バリ取りが不要なので安心して使い始めることができます。
約2合まで炊けて、デュオキャンプにもちょうどよい大きさ。
価格もリーズナブルなので、コストを抑えてキャンプを楽しみたい人にも最適です。
【ファミリーキャンプにおすすめの筒型飯盒】LOGOS(ロゴス)/丸型ハンゴウ5合
- サイズ:[本体](約)18×15.5×15.7cm
[フタ](約)16×16×3.5cm
[皿(なかご)](約)15×15×3cm - 容量:[本体](約)2.67L
[フタ](約)0.6L
[皿(なかご)](約)0.5L - 総重量:(約)380g
- 炊飯の目安:5合
- 材質:アルミニウム
LOGOS(ロゴス)の「丸型ハンゴウ5合」は、最大で5合のお米が炊ける大容量の筒型飯盒。
使いやすい丸型で、鍋としても使えるので、たくさんの量の料理を作りたいファミリーキャンプにぴったりです。
【ファミリーキャンプにおすすめの兵式飯盒】LOGOS(ロゴス)/ハンドル付ハンゴウ
- 総重量:(約)365g
- 容量:[本体]2.2L[ふた]0.5L[皿(なかご)]0.3L
- サイズ:[本体]20.5×11.5×14cm[ふた]18×11×3.5cm[皿(なかご)]17×10×2.5cm
- 収納サイズ:(約)20.5×13×15cm
- 表面加工:[本体内側、ふた内側、皿]アルマイト加工 [本体外側、ふた外側]メラミン樹脂塗装
- 主素材:アルミ
- 4合炊き。鍋としても使えます。
ロゴス(LOGOS)の「ハンドル付ハンゴウ」は、2.2Lと容量が大きめの兵式飯盒です。
フタにハンドルが付いているので、フタをフライパンや鍋、食器として使うことができ、ひっかけるのにも便利です。
【ファミリーキャンプにおすすめの角型飯盒】スケーター/アルミメスティン
スケーターの「アルミメスティン」は、アルマイト加工が施されているため、シーズニングが不要で買ってすぐに使える角型飯盒です。
洗って乾かすだけでお手入れも簡単なので、何かと忙しいファミリーキャンプには嬉しいですよね。
サイズが600・850・1,000mlの3種類と豊富で、用途に応じて最適なサイズを選ぶことができます。
- サイズ:幅12.2×奥行18.2×高さ6.1cm
- 素材・材質:本体・フタ=アルミニウム合金 板厚1.0mm(アルマイト加工) 止具・ハンドル=ステンレス ハンドルカバー=PVC
- 満水容量:850ml
- 重量:225g
飯盒でキャンプご飯をさらに楽しもう!
飯盒の使い方やレシピ、おすすめの商品をご紹介しました。
気になる飯盒は見つかりましたか?
飯盒がひとつあれば、キャンプでの食事がグッとバリエーション豊かなものとなります。
ぜひ飯盒で色々なキャンプ料理にトライしてみてくださいね。