改めて意識しよう!「やさしい日本語」 〜外国人労働者の労災を防ぐために〜

今や当たり前の光景となった外国人労働者ですが、皆さんは普段からご自身が使う日本語について「相手に理解されやすい日本語を使っているかどうか」を意識していますか?

東京労働基準協会連合会が、7月11日(月)に安全衛生管理についての講演会を行い、外国人労働者への対応を解説しました。
講演会の中では、外国人の労働者に対してより理解しやすくなるよう「やさしい日本語」を使うことの重要性が強調され、尊敬語や謙譲語などを避けながら、丁寧語で一文を短く話すと良いことなどが話されました。
外国人労働者に対して「やさしい日本語」を使うことは、円滑なコミュニケーションを促すだけでなく、労働災害の予防にもつながり、外国人労働者の命を守るために大切なことなのです。
外国人労働者を雇用している企業はこの機会に今一度確認しましょう!

外国人労働者の労災発生状況

近年、外国⼈労働者の増加に伴い、外国⼈労働災害も増加傾向にあります。
平成27年以降は全国で毎年2,000件を超えています。
この労働災害増加の背景には、外国人労働者に対してしっかりとした安全衛⽣教育がなされていなかったことや、作業⼿順・指⽰・合図などが⽇本語でしかルール決めされておらず、外国⼈労働者に理解されていないまま作業をしていた、などが考えられます。

外国⼈労働者は、当たり前ですが⽇本の労働環境やビジネスで使用される⽇本語に慣れていません。
ですので、外国⼈に安全衛⽣教育を実施する際などには、適切な⼯夫を施して、作業⼿順や安全のためのルールをしっかりと理解してもらうことが大切です。

「オノマトペ」を使わないようにしましょう

「オノマトペ」とは、「ふっくら焼ける」や「ドンドン叩く」、「ブーブー走る」など、擬音・擬声・擬態語を総称したもののことを言います。

日本語は圧倒的にオノマトペの種類が多く、日常会話でも頻繁に使われていますが、実は他の言語にはあまり馴染みがありません。
音で表現されているので相手に伝わりやすいと思われがちですが、外国人と話す時にはなるべく使わない方が良いとされています。

日本語は、他の言語にくらべて動詞の種類が少ないため、それを補うために「オノマトペ」が発達されたと考えられています。
たとえば「見る」という言葉は日本語ではひとつですが、英語は「see」「look」「watch」のように複数の動詞があります。
この違いを表すとき、日本語は「ぼんやり見る」「じっと見る」など、オノマトペを使って表現するのです。
日本人は普段から何気なく頻繁に「オノマトペ」を使っていますが、日本語を母国語としない人にとっては難しい言葉であることを意識し、外国人労働者と話す時はぜひ注意しましょう。

コロナなどの不測の事態や緊急時の時のために、厚生労働省などのサイトを活用しよう

新型コロナウイルスが流行してから早2年……
前例が無い事態に日本の企業は従業員に対してどのような対応をとるべきか混乱し、「産業保健新聞」運営元のドクタートラストにも多くの企業の人事担当者や衛生管理担当者の方からお問合せがきました。
そんな中でもっと不安に陥ったのは外国人労働者では無いでしょうか。
「コロナで会社から休むように言われた時に休業手当はどうなるのか?有給を使えるのか?」など、日本の制度や福利厚生などは難しい言葉が多く、また企業担当者の方も外国人労働者に伝える時に難しいと感じることがあるかもしれません。

厚生労働省では、外国人向けに多言語版の労災保険給付についての案内や、やさしい日本語で書いた休業手当や助成金の案内などを公開しています。
以下、外国人を雇用する事業主のみなさまを援助するための活動案内や、外国人労働者の方向けのサイトをいくつか案内しますのでぜひ参考にしてみてください。

◆事業主・企業の担当者向け
・ 厚生労働省「外国人雇用管理アドバイザー」
・ 厚生労働省「外国人労働者に対する安全衛生教育の適切な配慮についてのお願い」

◆日本で働く外国人労働者向け
・ 厚生労働省「会社で働いている外国人のみなさま(やさしい日本語版)」
・ 厚生労働省「外国人労働者向け労災保険給付パンフレット」
・ 厚生労働省「がいこくじんのみなさんへ しごとやせいかつのしえんについて」

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