いま、野菜の値上がりが続いています。最大の原因は天候不順。食卓はもちろん、あの静岡名物にも影響を与えかねない状況です。暑い日でもおいしいおでんがいま、ピンチを迎えています。
<竹川知佳記者>
「今、静岡おでんに欠かせないあの具材が高くなっています」
<静岡おでん おがわ 小川光枝さん>
「(高くなったのは)大根ですね」
静岡おでんの代表格大根が高いというのです。「おがわ」では、1日で5~6本は使うという大根。8月に入って急に仕入れ値が上がったといいます。それでも、価格もサイズもいままで通りでなんとか踏ん張っています。
<静岡おでん おがわ 小川光枝さん>
「頑張ってやりたいねとは言ってますけどね、ちょっとしんどいと思います」
大根の値上げを感じているのは、飲食店だけではありません。
<買い物客>
「大根350円、上がったんだね」
「めちゃくちゃ高いですね」
「(野菜は)どうしても必要だもんだから買うんですけど、安くはないかなあ」
では、どれだけ高いのでしょうか。市場をのぞいてみました。
<記者>
「いつもはどのあたりまで大根があるんですか」
<静岡市中央卸売市場 静岡VF営業果実執行役員 原寿克さん>
「いまあちらに大根見えますけど、あちらからこちらが全部大根売り場。いつもいっぱいになりますからね」
<記者>
「それが今年はこれだけ」
<静岡市中央卸売市場 原寿克さん>
「そうそうこれだけ」
<記者>
「かなり少ないですね」
この季節は、北海道や東北からの仕入れが多いといいますが、その量が明らかに少ないのです。
原因は8月、北日本で相次いだ記録的大雨。生育が遅れ、出荷量に影響し、結果として価格が軒並み上がりました。中でも、大根の影響は大きく、2021年の同じ時期と比べて、5割高くなっているのです。
さらに、2022年はこんな影響も色濃く出ています。
<静岡市中央卸売市場 原寿克さん>
「ウクライナ情勢とか円安の関係、それから原油高の影響が出ている。農家さんもいろんな経費がかかるもんですから、非常に厳しい状況になっていますね」
止まらぬ野菜高騰、食卓への影響は一体いつまで続くのでしょうか。
<水野涼子キャスター>
2021年の同じ時期と比べて価格に変化があった野菜は、大根のほか、サラダやお弁当に使うミニトマトもおよそ4割アップ。さらに白ネギも3割アップという状態です。
一方で価格が下がっている野菜もあります。白菜やブロッコリーは2割安くなっています。市場関係者によりますと、今後は関東産や静岡県内産の野菜も増えてくることから、10月以降は価格も落ち着いてくるのではないかということです。しばらくの間は、お得な野菜を組み合わせて賢く乗り切りたいところです。