暴行を続けた監督、声が小さい生徒に「未熟だった」…強豪の剣道部で起きた逮捕劇「一刻も早く謝罪したい」

剣道部監督、体罰の疑いで逮捕=本庄市

 剣道の稽古中に男子部員の顔を手でたたくなどしたとして、埼玉県警少年捜査課と本庄署の合同捜査班は25日、暴行の疑いで、本庄市西富田、私立本庄第一中学教員の男(31)を逮捕した。

 逮捕容疑は昨年12月28日午前9時ごろから同29日午後7時半ごろまでの間、同校に併設されている本庄第一高校の体育館で、当時部員だった10代の男子生徒に対して、複数回にわたり、体を殴打するなどの暴行を加えた疑い。男は調べに対し、「間違いありません」と容疑を認めているという。

 少年捜査課によると、男は本庄第一中学の教員で同中剣道部の監督。暴行現場となった道場は本庄第一高校の体育館の1階にあり、高校と中学の剣道部が共同で使用していた。男は稽古中に顔を素手でたたいたり、竹刀で喉や脇腹を突いたという。

■ほかの部員にも暴行か

 男の逮捕を受けて、本庄第一中学校は25日午後、会見を行い、被害を受けた剣道部員への暴行とは別に、他の部員も体罰を受けていることを明らかにした。

 同校によると、男は本庄第一高校の剣道部出身。2014年4月から勤務しており、中高の体育教員や剣道部の監督を務めていた。逮捕容疑の暴行があった昨年12月28~29日にかけては校内合宿を行っており、中学生の剣道部員に対して1人で指導を行っていたという。

 体罰が発覚した6月20日以降、同校では剣道部員や他の顧問などに対してヒアリングを実施しており、ほかの生徒にも暴行があった事実を確認。練習中に動きが遅いことや声が出ていないことなどが理由として挙げられた。

 男は7月15日付で停職3か月の処分となった。今回の事実について「自分が未熟だった」とした上で「一刻も早く被害生徒に謝罪したい」と話しているという。

 本庄第一中学校の樋口綾乃校長は「被害に遭われた生徒と保護者、関係者に深くおわびします」と謝罪した。

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