新型コロナ患者の全数把握 小池都知事「現在の運用続ける」と明言

新型コロナウイルス感染者の「全数把握」の見直しについて、東京都の小池知事は「現在の運用を続ける」と明言しました。

都庁で8月25日に開かれた新型コロナの感染状況を分析する会議では、新規感染者の7日間平均が3週連続で減少している一方で、いまだ第6波のピークの感染者数を超えていることが報告されました。その上で、専門家は医療提供体制への負荷が増していると指摘しました。東京都医師会の猪口正孝副会長は「入院患者数は8月20日に過去最多の4459人が報告されるなど、非常に高い水準で推移している。医療機関では十分に人員を配置できない状態が長期化して、負担が増している」と報告しました。

医療体制への負担が続く中、岸田総理大臣は24日、負担軽減のため、感染者の全数把握を各自治体の判断で見直せるようにする方針を示しました。これについて小池知事は25日、都の会議の中で「患者を大事にするため」として、当面は感染者の把握方法を見直さないと明言しました。小池知事は「発生届には感染動向の把握に加え、患者一人一人の健康状態を把握して必要な医療につなげていく重要な機能がある。都は患者を大事にするため、当面発生届の扱いは現在の運用を続けていく」と述べました。

<ワクチン接種を促進 銀座に臨時接種会場も>

こうした中、東京都内ではワクチン接種を少しでも促進しようという取り組みが続いています。

東京都と中央区が連携して接種会場を設けたのは銀座エリアです。仕事帰りの人たちが接種しやすいようにと、数寄屋橋公園に8月25日と26日の2日間、午後5時半から午後8時半まで限定で臨時のワクチン接種会場が設置されています。区民でなくても、誰でも接種券と身分証明書を持参すれば事前の予約なしで接種できます。初日に接種会場を訪れた人は「予約なしで受けられるので、直接来てすぐ受けられた。利便性が高いので寄ってみた」「仕事帰りの時間と場所がぴったりだった。ちょっと受けてみようかなという気持ちになって受けた」などと話していました。

接種に使用するワクチンはファイザー社製で、1日当たり先着で80人分を用意しているということです。

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