ヒージャー料理が「自販機」で買える 生産組合が商品化 勝山の「メェー物」目指す 名護市・宮里のファーマーズマーケットに設置

 【名護】ヒージャー(ヤギ)をもっと身近にー。名護市勝山山羊生産組合(比嘉彩会長)はこのほど、豊富なヤギ料理をそろえた冷凍自動販売機を市宮里のファーマーズマーケットやんばるに設置した。組合はヤギを生産するだけでなく、商品化も手掛けることで、「勝山ヒージャー」のブランド化、ヤギ料理の浸透を目指している。

 比嘉会長によると、新型コロナの影響で、ヤギの需要が落ち込んでいる。居酒屋や飲食店などで振る舞われることが多いが、その機会が減っているためだ。「コロナ禍を機会に家庭の食卓にヒージャー料理を取り入れることができないか」。比嘉会長はヤギ料理を冷凍食品として販売することを考えた。

 自動販売機ではヤギ餃子を千円、ヤギてびちの煮付けは700円で販売。定番のヤギ刺身(1200円)、ヤギ汁(千円)を買うこともできる。いずれも比嘉会長らが勝山公民館の調理室を借りて製造している。比嘉会長は「豚は鳴き声以外、捨てるところがないと言われるがヤギも同じ。いろんな部位を活用し、多様な料理を楽しむことができる」と笑顔を見せる。

 JAおきなわの山羊生産振興協議会会長などを務めた仲里政和さん(73)=市勝山=は「これまで生産に力を入れてきたが、今後はどう売り出していくかが課題となっている」と指摘。「個人レベルで(ヤギの)自販機を設置する例は多いが、どうにか事業化、雇用化につなげたい。今回がそのきっかけになれば」と話した。

 勝山区の岸本一郎区長は「勝山の三つの宝」として、嘉津宇岳、シークヮーサー、ヒージャーを挙げる。「嘉津宇岳には登山者が絶えない。勝山シークヮーサーも商品化が進み名も知られるようになった。いよいよヒージャーの番だ」と期待を寄せた。

 (長嶺晃太朗)

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