シンボルの巨木輝く イベントごとに点灯へ、印南

色鮮やかにライトアップされた高さ約32メートルのメタセコイア(25日、和歌山県印南町皆瀬川で)

 和歌山県印南町皆瀬川、元真妻小学校の校庭にそびえる巨木のメタセコイア(スギ科)が25日、色鮮やかにライトアップされた。今後、年間を通してイベントごとに点灯することにしており、この日は試験点灯。第1回はクリスマスに合わせた点灯を計画している。

 地元の住民有志でつくる地域づくり団体「真妻やまびこ塾」(山本育男塾長)が取り組み、活動を支援する海南市の屋外照明メーカー「タカショーデジテック」(古澤良祐社長)がライトを設置した。

 校庭のメタセコイアは、高さが約32メートルある。卒業生にとっては思い出深い木で、真妻地域のシンボルとなっている。30年ほど前から、地域住民だけでなく、古里に帰省する人にも楽しんでもらおうと、住民有志や卒業生らが年末年始に電飾をしてきた。1997年の統合で廃校となってからは、真妻やまびこ塾が引き継いだ。2019年11月~20年3月にはタカショーデジテックなどの支援を得て、和歌山マリーナシティ(和歌山市)で開かれた光のフェスティバル「フェスタ・ルーチェ」の関連イベントとして、発光ダイオード(LED)の明かりをともし好評を得た。

 今回、これまでのイルミネーションに替えてライトを設置し、年間を通してイベントごとに光を照らすことができればと取り組んだ。

 ライトはLEDの投光器6基を使っており、うち2基が広角、4基が遠くまで届くタイプ。ライトの色は赤や黄、緑、紫、白などさまざま。光による演出は、四季それぞれの雰囲気に合わせたものとクリスマス、モミの木の計6種類あり、バリエーション豊かな表現が可能という。

 25日には夕暮れ時に点灯され、辺りが暗くなるにつれ、巨木が鮮やかに浮かび上がった。昼間とは違った壮麗なたたずまいで、関係者も感動していた。以前、住民の一人として地域づくりに取り組んでいた日裏勝己町長も「以前よりバージョンアップし、見事な光の演出。町おこしにつながっていけばと思う」と期待していた。

 山本塾長は「過疎が進む地域だが、光を見て心豊かな気持ちになってもらいたい。古里に戻った人にも見てもらいたい。真妻は光のある所と知られるようになってくれればと思う」、古澤社長は「光の演出は、人々の喜びや幸せにつながっていく。地域の人だけでなく、関係人口の増加につながればと思う」と話していた。

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