【特集】コロナ禍に靱帯断裂も…イギリスのバレエ学校を「首席」で卒業 香川出身・三宅啄未さんプロを目指しアメリカへ

プロのバレエダンサーを目指す香川県丸亀市出身の男性。この夏、イギリスのバレエ学校を卒業し新たな一歩を踏み出します。

舞台の上で堂々とした踊りを見せるのは、丸亀市出身の三宅啄未さん(18)です。

3歳のときにバレエを始めた三宅さんは数々のコンクールで優勝。

2017年には若手バレエダンサーの登竜門、ユース・アメリカ・グランプリのジュニア男子部門で1位に輝きました。そして、世界3大バレエ団の一つイギリスのロイヤル・バレエ団に付属するロイヤル・バレエ学校に入学しました。

(三宅啄未さん[当時13歳])
「(Q.目標は?)ロイヤル・バレエ団に入って、プリンシパルになることです」

2019年には進級試験に合格し、アッパースクールに進みました。「ロイヤル・バレエ団のプリンシパルになる」という目標に向かって着実に歩みを進めていましたが――。

(三宅啄未さん)
「アッパーに入って1年生の2学期の終わりにコロナが来ちゃって。一時帰国せざるを得なくなっちゃって……」

帰国した三宅さんは3学期の授業は日本からオンラインで受けることになりました。

(三宅啄未さん)
「時差とかもあって、オンラインなので、先生も見られない範囲があるし、すごく難しかったんですけど、どうしようもないので。それで頑張りました」

2年生となった2020年9月、三宅さんは、再び、学校に通うことができるようになりました。しかし、その直後――。

(三宅啄未さん)
「右足首を捻挫して靱帯が2本切れちゃって」

練習中ジャンプの着地に失敗し、手術が必要なほどの大きなけがをしました。さらに5カ月後にも再び同じ「靱帯」を断裂……。

半年後にはロイヤル・バレエ団の入団を決めるオーディションが控えていました。

(三宅啄未さん)
「その次の年の就職に向けてのオーディションに向けて頑張るっていう感じなので、そこでけがしちゃったのは本当に正直焦りました」

結局、オーディションまでに完治はせず、満足のいく演技をみせられなかった三宅さんは「ロイヤル・バレエ団に入る」という夢をつかむことができませんでした。

(三宅啄未さん)
「やっぱり悔しかったのは悔しかったです。けがが治ってきて全部踊れるようになったときに、『こっから頑張るしかないな』っていう感じで」

それでも三宅さんは7月、ロイヤル・バレエ学校を『首席』で卒業。その力は認められました。

(三宅啄未さん)
「先生から言われたのは『もう君はプロになっても大丈夫だと思うし、スター性があるからこれからも頑張ってくれ』と言われたんですけど、うれしかったですね」

プロのバレエダンサーを目指して、三宅さんは9月から拠点をアメリカに移します。

(三宅啄未さん)
「本当に楽しみでしかないです。日本人を代表する世界的バレエダンサーになれたら」

三宅さんは27日、香川県多度津町で行われるバレエ教室の公演に出演する予定です。

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