旧統一教会問題巡る自民調査に「黄信号」 山際氏「資料ないものはない」と回答留保か

閣議後会見で記者の質問に答える山際経済再生担当相=26日午前、内閣府

 自民党は26日、党所属の国会議員を対象に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)や関連団体との接点の有無を確認する調査を開始した。これに対し、改造内閣発足直後に教団との関わりを認めた山際大志郎経済再生担当相(衆院神奈川18区)は「資料が残っていない」として、回答を留保することを示唆。現職閣僚の対応次第では実効性が伴わない結果を招きかねず、国民の不信を払拭(ふっしょく)したい岸田文雄首相の思惑に早くも「黄信号」がともっている。

 党関係者によると、所属議員を対象にした調査は茂木敏充幹事長名で、教団や関連団体との関係について▽会合への祝電送付▽会合への出席▽会費の支出▽寄付やパーティー収入▽選挙ボランティア支援▽選挙支援の依頼、組織支援、動員の受け入れ─などの有無をアンケート形式で9月2日に報告を求めている。党は結果をまとめて公開する方針。調査後に新たな関わりが判明した場合は、追加で報告を求めている。

 首相はこれまで議員本人に事実確認と説明を委ねてきたが、党への批判が高まる中、「自民党総裁としてもう一段踏み込んだ実効的な体制を整備する」と表明。全議員の過去の関係を調査する対応に転換させたことで説明責任を果たし、事態の沈静化を図りたい考えだ。

 一方、山際氏は26日の閣議後会見で、自らが参加したと認めた関連団体のイベントや会合について「資料そのものは残っていないから、報道を見ながら出席したと申し上げている」と説明。党の調査について「きちんとした確証があるものに関しては、きちんと報告しなければならない」と前置きしたものの、「ないものはないと申し上げるしかないと思う」と語り、回答しない可能性を示した。

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