すでに時効も…加須の国保診療所、消費税10年未納「歴代職員の認識不足」 5年分456万円を納税へ

加須市役所=埼玉県加須市三俣

 埼玉県加須市は26日、同市国民健康保険北川辺診療所が、自由診療分の消費税の納税義務が生じていたにもかかわらず、申告納税していないことが分かったため、5年間の未納分約456万円(約421万円と延滞税額、加算税額)を納税することを発表した。併せて24日付で複数の関係者の処分を行ったことも明らかにした。

 今年4月ごろ、同診療所の事務担当職員が、インボイス制度(来年10月1日開始)への対応を検討する中で、自由診療分の消費税を支払う必要があることに気付いた。過年度にさかのぼって確認したところ、2010年度に初めて課税売上高が1千万円を上回っていた。12年度から課税事業者として消費税の申告および納税の義務が生じていたことが分かった。

 保険診療は消費税の対象外だが、健診などの自由診療が1千万円を超えた場合は納税義務が発生する。消費税が未納だったことについて、同市は「原因は、歴代の担当職員の消費税に対する認識不足」と説明した。今年5月16日、消費税課税事業者届出書を行田税務署に提出した。

 同市は、時効分(12年度から16年度)を除く17年度から21年度までの消費税および延滞税額などを納税するため、予算措置を行った。

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