<新型コロナ>埼玉は「全数把握」維持 医療現場、県民の混乱回避のため 知事「全国一律の基準を求める」

大野元裕知事

 新型コロナウイルス感染者の全数把握を県の判断で限定する「緊急避難措置」を国が認めたことを巡り、埼玉県は26日、「拙速な移行に伴う医療現場や県民の混乱回避が必要」として見直しを行わないことを決めた。同日、専門家会議と対策本部会議を開催した。

 大野元裕知事は会議後、報道陣の取材に「(限定すると)高リスクでない人を県が把握せず、重症化するといきなり連絡が来る」などの課題を挙げた。8月第3週のアンケートでは「逼迫(ひっぱく)している」と答えた診療・検査医療機関は58.8%で、「一時の74%よりは減少し、負担が減ってきている状況」と説明。国が判断を都道府県知事に委ねたことについては「適切ではない。全国一律の基準を求める」とした。

 また、8月31日に期限を迎える「BA・5対策強化宣言」については9月30日まで延長する。大野知事は病床使用率が7割を超えているとして「依然として高い状況にある」と指摘。県民に感染対策の継続を求めた。

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