「そのぎ茶」ダブル日本一! 質向上に取り組み“奪還” 個人で上位3席独占

優れたお茶を選ぶ本年度の全国茶品評会の審査結果が26日発表され、蒸し製玉緑茶部門で「そのぎ茶」を生産する東彼東彼杵町が産地賞に輝いた。個人でも同町の尾上和彦さん(45)=左から2人目=が1等1席の農林水産大臣賞に。生産者が目標としていた3年ぶりの「ダブル日本一」を達成した=東彼杵町役場

 新茶の味や香りを評価する本年度の全国茶品評会(京都府宇治市)の結果が26日発表され、蒸し製玉緑茶部門で「そのぎ茶」を生産する長崎県東彼東彼杵町が産地賞に輝き、個人では同町の尾上和彦さん(45)が1等1席の農林水産大臣賞に選ばれた。生産者が目標としてきた「日本一」を奪還した。
 同部門で「そのぎ茶」の生産者が日本一になったのは2年ぶり。町と個人がダブルで受賞したのは3年ぶり4回目。ボランティアを募り3年ぶりに手摘みをするなど、質向上の取り組みが成果となった。
 品評会には普通煎茶や玉露など8部門に17都府県から865点の出品があった。蒸し製玉緑茶部門には4県から105点の出品があった。茶業関係者らが味や香り、入れたお茶の色合い、茶葉の見た目を審査し、尾上さんの出品茶は満点の200点の評価で、大臣賞は2017年以来2回目。
 東彼杵町からは同部門1等2席に大山良貴さん(51)、同3席に福田新也さん(39)が選ばれ、上位を独占。この結果、市町村別で上位3人の合計点で競う産地賞を制した。
 この日は町役場に生産者らが訪れ、岡田伊一郎町長に結果報告。岡田町長は「小さな町だが日本一を誇らしく思う。今後も総力を挙げ日本一を継続できるよう取り組む」とねぎらった。尾上さんは「多くの人の協力にダブル受賞で恩返しできた。勉強を重ねておいしいお茶を作っていきたい」と語った。

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