7年目の今年は「当たり年」 空港での「はちみつ作り」が以外にも養蜂に適した環境のワケ

島根県「萩・石見空港」敷地内の養蜂場で採れた「空港はちみつ」が、7年目の販売シーズンを迎えている。滑走路から約250メートルの距離にある巣箱で採れた蜜は空港周辺の豊かな自然を反映した味で、天候がいい今年は「当たり年」のできばえだという。

空港ビル周辺の2カ所に合計30個の巣箱を置き、空港職員と地元の有志約13名で養蜂している。滑走路から約250メートルの近さにある養蜂場では、飛行機の離発着時に機体をはっきり見ることができるという。

石見空港は定期運行便が羽田発着1日2往復のみの地方空港。「空港はちみつ」は知名度向上や利用促進のための取り組みのひとつで、2016年10月に第1弾を発売した。約7年間で3万5000個以上を販売した。

初年度は養蜂未経験者の挑戦ながら、約320キログラムのはちみつを収集。3年目の18年には過去最多の1.3トン以上を採蜜したこともあった。例年、蜜が採れる時期に合わせ6~11月頃に販売している。今年は9月上旬頃まで採蜜する予定で、在庫がなくなり次第販売を終了する。

空港周辺は、航空機への影響を防ぐため鳥が好む果実をつける木がない。天敵である鳥がいない環境は、ミツバチのはちみつ作りに適しているという。同空港周辺の森には、アカシアやフジなどが自生していることも好条件になっている。

養蜂事業を担当する石見空港ターミナルビルの杉内映子さんは、空港業務とはちみつ作りを兼任しており「案内担当として到着口のカウンターに立っているんですが、空港の案内担当としては日に焼けている」と笑う。今年のはちみつは適度な日照時間で開花状況がよく「当たり年」だといい、「濃厚でさわやかな、味の輪郭がはっきりしたいい百花蜜が採れた」と自慢の味を語っていた。

(よろず~ニュース・今井 佳奈)

© 株式会社神戸新聞社