【日本の美しい禁足地vol.16】神が降臨したとされる地〜京都府福知山市の「天岩戸神社」〜

日本の美しい「禁足地」をご紹介しているこの連載。今回は、鬱蒼とした古木に覆われた京都府福知山市の「天岩戸神社」をクローズアップ。かつて神が降臨したとされるこの付近の山一帯は、足を踏み入れてはいけない場所だといわれています。

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天照大神が隠れたという伝説の地

image by As6022014#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Kotaijinzya_shrine.jpg) from Wikipedia 皇大神社

福知山市大江町には、伊勢神宮の元宮となったという元伊勢三社(皇大神社・豊受大神社・天岩戸神社)があります。いずれも深い森を有し、長きにわたり信仰の対象とされてきました。元伊勢三社の境内は、丹後天橋立大江山国定公園に指定されています。

元伊勢とは?

image by Saigen Jiro_haiden.JPG) from Wikipedia 籠神社の拝殿

元伊勢とは、三重県の「伊勢神宮」に祀られている神様「天照大神」と「豊受大御神」が、現在地へ遷る以前に一時的に祀られたという伝承を持つ神社のこと。

福知山市の元伊勢三社のほか、京都府宮津市大垣にある「丹後一宮 元伊勢 籠神社」などが元伊勢として有名です。

神秘的な雰囲気の「天岩戸神社」

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元伊勢三社のうちの一社「天岩戸神社」は、日室岳の下を流れる宮川渓流沿いの岩壁にはりつくように鎮座しています。ここは天照皇大神が隠れたという伝説の地です。

神々が座ったと伝えられる「御座石」、神楽を舞ったと伝えられる「神楽石」などがあり、巨石と鬱蒼とした森が神秘的な雰囲気を醸し出しています。この付近の山一帯は、足を踏み入れてはならないとされる禁足地です。

また、川向こうのピラミッド型の山は日室ヶ岳(城山・岩戸山)と呼ばれる神が降臨したと伝えらる神体山で、現在も信仰の対象になっています。頂上付近には岩の祭祀跡があるとか。

参拝には体力が必要!

天岩戸神社の社殿は岩盤の上に建てられていて、参拝するためには、備え付けの鎖で登る必要があります。スニーカーで行かないと、参拝できなくて後悔しそうな場所です。また、社殿の裏手に御座石があり、これを磐座(古神道における岩に対する信仰のこと)として祀っています。

ひとつだけ願い事が叶うといわれている拝所も

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さらに、皇大神社から天岩戸神社に向かって約200mのところある「日室ヶ岳遙拝所」からは、神霊降臨の神体山の「日室ヶ岳」を見渡すことができます。この拝所は、「一願さん」と呼ばれており、ひとつだけ願い事をすれば叶うという「一願成就」の信仰が古くから伝えられています。

夏至の日には神々しい光景がみられる

※画像はイメージです Shutterstock.com

夏至の日の17時頃、遙拝所から日室ヶ岳を拝むと、その頂上に太陽が沈む様子を眺めることができます。これに合わせて、「夏越の大祓」も行われています。

福知山市を訪れたら、天岩戸神社はもちろん、元伊勢の内宮「皇大神社」と元伊勢の外宮「豊受大神社」もあわせて参拝するといいかもしれませんね。

天岩戸神社

住所:京都府福知山市大江町佛性寺

電話:0773-56-0324

開所時間:9:00〜16:00

アクセス:京都丹後鉄道 「大江高校前駅」から徒歩約20分

公式サイト:https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/soshiki/65/6504.html

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