マリナーズ・イチローが球団殿堂入り セレモニーは英語でスピーチ

日本時間8月28日、マリナーズは史上10人目となる球団殿堂入りを果たしたイチローの殿堂入りセレモニーを開催した。イチローはすべて英語で“What’s up, Seattle?!”から始まる16分間のスピーチを披露。イチローらしいユーモアを交えながら球団や家族、チームメイト、ファンへの思いや感謝を述べた。「引退したあとでさえ、野球とシアトルは僕の心を掴んで離さない。野球は永遠に僕の魂であり、僕の使命は選手とファンがこの特別なゲームを楽しむことを手助けすること」と語った。

マリナーズの球団殿堂入りはアルビン・デービス、デーブ・ニーハウス、ジェイ・ビューナー、エドガー・マルティネス、ランディ・ジョンソン、ダン・ウィルソン、ケン・グリフィーJr.、ルー・ピネラ、ジェイミー・モイヤーに続いてイチローが10人目。今日のセレモニーにはジョンソンとピネラ以外の全員が出席した。イチローはそれぞれのメンバーにユーモア満載のメッセージを伝え、「ルーが頬にキスをしてきた。日本ではあり得ないこと。正直、怖かった。これがアメリカの慣習なら、ここでやっていけないかもしれないと思った」とピネラ元監督とのエピソードも披露した。

ダグアウトからセレモニーを見守っていた現役選手たちに対しては「皆さんの未来には想像できないほどの可能性がある。だから、自分で限界を設けることなく、ベストを尽くしてほしい。日本から来た痩せた男がこのユニフォームを着て、今夜この名誉を受け取ることができるのだから、皆さんにもできないわけがない」とエールを送った。

また、ファンに対しては「21年前の最初の試合、皆さんは新加入選手だった僕に大きな声援を送ってくれた。それは決して鳴りやまなかった。2018年に戻ってきたときも、まるで僕が一度もチームを離れていないかのように迎えてくれた。僕のキャリアのなかで最高の思い出の一つであり、決して忘れることはない。マリナーズの一員として皆さんのためにプレーできたことは僕にとって最高の名誉」と感謝を述べた。

イチローの球団殿堂入りを祝うために、マリナーズのOBや球団関係者のほか、エンゼルスのマイク・トラウトと大谷翔平、カージナルスのアルバート・プホルス、元レッドソックスの松坂大輔からもビデオメッセージが寄せられた。熱い思いとユーモアに満ちた、イチローらしいセレモニーだった。

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