谷口「嬉しい誤算大作戦でいきたい」。片岡「スムーズに追い抜くことができた」【第5戦GT300決勝会見】

 鈴鹿サーキットで開催されている2022スーパーGT第5戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 450km RACE』。8月28日に行われた決勝レースを終え、GT300クラスで優勝を飾ったグッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝と片岡龍也が決勝日を振り返り、次戦への展望を語った。

片岡龍也/第1スティント担当

「昨日の予選ももちろんよかったです。ただ、理想としては『2列目からスタートしたいな』くらいの思いはありました。それはやはり、前にいる車両よりもレースペースで速くてもストレートでなかなか追い越すことができずに詰まってしまうだろうなというところから始まりました」

「その予想どおり、自分たちが持っているパフォーマンスはあるものの前に引っかかってしまうという展開が続いていたので、なるべく早くピットインをしたいと思っていました。ただ長いレースですので、早くピットに入ってしまうと後半少し辛いというところもあり、予定していた周回と近いところまで引っ張りルーティンの作業に入ることができました」

「そのピットでは、ドライバー交代とタイヤ交換、燃料を補給してコースに戻りました。そこから前が開けているときは非常にいいペースで走ることができ、テストの段階で感じていた好調さは今日のコンディションでも維持できていました。あとはライバルに対してどれくらいのペースで走ることができるかでした。タイヤ無交換組で前に行っている車両も何台かいましたが、無線で確認する限りラップペース的に捕まえられそうでした」

「あとはいかに引っかからずに処理できるかというところがポイントで、その部分は思った以上にスムーズに全車追い抜くことができて自分のスティントは進んでいったのですが、予定より2周ほど早く(ピットに)入りプッシュがキツすぎて、なるべくセーブしたつもりではありましたが予想より若干タイヤの摩耗が苦しくなってしまったので、2周ほど速くピットに早く入りましたが、ほぼ予定していたとおりのスティントになりました」

「ここまであまりポイントを獲れていないこともあり、今回は優勝してポイントを獲りましたけど、なかなかチャンピオンシップという意味ではかなり厳しいのかなと思っていますので、正直シリーズの方はもうあまり考えていません。ただ、前戦から好調になってきているので、とにかく残りのレースは全力で戦うのみです。そのなかでしっかりと来シーズンに何か繋げられるものがあればいいかなというような思いで残りのレースは戦っていこうかなと思います」

2022スーパーGT第5戦鈴鹿 片岡龍也(グッドスマイル 初音ミク AMG)

谷口信輝/第2スティント担当

「大体の流れは片岡選手が言ったとおりです。僕は最後のスティントを担当しました。片岡が非常にいい走りでトップまで行き、僕にドライバーを交代して送り出してくれたくれたときはポジションをトップのまま維持することができたので、それを絶対守り切ることが僕に与えられたミッションでした」

「基本的にはクルマもタイヤも好調で変な罠にかかることもなく、無事にゴールまで行けたと言いたいところですが、途中にはまったく道をゆずってくれない車両もいて、それでまた貯金が全然なくなってしまいました。後で体育館の裏に呼び出した方がよかったかもしれませんが、そのような車両に引っかかる引っかかりながらもポジションは譲らず、何とかトップのままレース終盤まで走ることができました」

「もう周りからは僕のペースやギャップを含めて安泰というふうに周りからは見えていたかと思いますが、前回のレースもあるので、余裕なんて“よ”の字もありませんでした。とにかくもう無事にゴールまで行きたいということを祈りながら、タイヤマネジメントもしながらゴールまでクルマを運びました」

「我々は今回勝てると思っていなかったので嬉しい誤算といいますか、強いチームのウエイトが重たくなっているからということももちろんあります。この後にまたウエイトが軽くなってくると強いチームが間違いなく強くなってくるので、今日僕らが勝ったからといって我々が強いとは思えません」

「とはいえ嬉しい誤算で、勝てると思わなかったサーキットで勝つことができたので、このまま嬉しい誤算が続いたらいいなと思っています。ですので、今のところチャンピオンシップに対しての展望や『タイトルを獲るぞ!』という思いはないですけど、この思いも嬉しい誤算だったらいいなと少し思っています(片岡から『結構な誤算ですよ!』とツッコミ)。嬉しい誤算大作戦でいきたいと思います!」

2022スーパーGT第5戦鈴鹿 谷口信輝(グッドスマイル 初音ミク AMG)
2022スーパーGT第5戦鈴鹿 決勝後会見に出席した片岡龍也、谷口信輝、平峰一貴、ベルトラン・バゲット

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