福井県の公立校で初、丸岡高校と若狭高校に県外者の募集枠 2023年度入試

丸岡高校で学ぶ楽しさを県外の進学希望者に伝える生徒ら=8月6日、福井県坂井市の武者処マルコ

 福井県の丸岡高校と若狭高校は2023年度、財団法人「地域・教育魅力化プラットフォーム」の留学支援事業「地域みらい留学」を利用し、全学科で県外者の募集枠を設ける。福井県内の公立校で初めての取り組み。合わせて11人程度の枠とし、学校や地域の魅力を県外者に知ってもらうと同時に、地元の生徒にも地域の良さを再発見するきっかけにしてもらう。

 丸岡高は、本年度スタートした普通科の「スポーツ探究」と「みらい共創」の2コースで定員5人。昨年度まで文部科学省の「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」(グローカル型)の指定校として、地域や企業と連携を進めた実績を、学校の特徴として打ち出している。

⇒福井県立高校の2023年度入試日程

 若狭高は普通科、文理探究科、海洋科学科で募集し、各学科2人程度計6人程度の枠を設けた。創立125周年を迎える地域の伝統校として、少人数制授業を取り入れる普通科や、高度な課題探究に取り組む文理探究科、専門性の高い海洋科学科の特徴をアピールしている。

 同財団は全国から生徒を募集する公立高を支援している。希望校による登録制で、2018年度に募集を始め、福井県からは本年度初めて2校が登録した。

 全国では計32道府県の89校が登録しており、全国的には過疎化や少子化などへの対応から小規模校が多い。丸岡高は322人、若狭高は761人(ともに本年度)と生徒数は多く、公立校の魅力化向上の一環として登録した。

 両校とも県外生は、地元のアパートや学校の寮に下宿。丸岡高は地域の良さを知ってもらおうと、地域の人たちの歓迎メッセージとともに丸岡城や商店街の名物ハンバーガー専門店を募集パンフに掲載した。若狭高は、町屋や若狭塗り箸など地域の伝統と絡めた探究的な学びができると紹介している。

 福井県高校教育課の担当者は「若狭高の海洋学科や丸岡高の地域とつながる学びは、全国の中学生にとって魅力的なよう。県外からの進学者は学校にも刺激となり、地元出身生も、高校や地域の魅力を知るきっかけにもなる」と期待している。

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