小池都知事「現場を混乱させないで」 全数把握…政府が“全国一律”を検討

東京都内で8月26日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は1万8423人で、前週に比べて9000人以上減少しました。また、病床使用率は54.9%、重症病床使用率は28.8%で、どちらも前の週に比べると5%ほど減少しています。

感染者数は減少傾向にあるものの医療体制の逼迫(ひっぱく)が続く中、感染者の「全数把握」を巡って新たな動きが出ています。"各都道府県が判断する”ことになった新型コロナ感染者の全数把握の見直しについて、政府が"全国一律”とする方向で検討していることが分かりました。これに対し、見直しには慎重な姿勢をみせている東京都の小池知事は「現場を混乱させないでほしい」と注文を付けました。

新型コロナ患者の全数把握について、小池知事はこの日改めて「現在の運用を続ける」と強調しました。小池知事は定例会見の中で「一番大切なのは都民の命、そして健康を守ることにほかならない。東京都は一人一人の患者を大事にする観点からも、当面、発生届は現在の運用を続けていく」と述べました。

全数把握を巡っては岸田総理大臣が8月24日、都道府県の判断で届け出を重症化リスクが高い人に限定する仕組みに改めると公表しました。しかし、政府は早ければ9月半ばにも全国一律に見直す方向で検討していることが分かりました。複数の関係者によりますと、感染状況を見極めて判断するということです。

都道府県の判断か、それとも全国一律なのか──。会見の中で小池知事は「今後、国がどう決めるのか。制度の運用を見直すということだが、対策に当たっている現場に混乱を来さないようにお願いしたい」と苦言を呈し、政府の対応に注文を付けました。

© TOKYO MX