KDDIら3者、水上ドローンでのブルーカーボン算定に必要な藻場の調査実験に成功

株式会社KDDI総合研究所、KDDI株式会社と三重県鳥羽市の3者は、鳥羽市の菅島および答志島沿岸にて、2022年6月8日と2022年6月9日に、水上ドローンを活用しブルーカーボン算定に必要な藻場調査の実証実験を実施しました。海草や海藻の分布面積調査を水上ドローンで効率的に行うことをを目的としている。

ブルーカーボンは、海草や海藻、植物プランクトンなど、海洋生物の作用によって海中に取り込まれる炭素。二酸化炭素吸収源の新たな選択肢として注目されており、藻場を対象としたカーボン・オフセット制度が推進されている。

一方、ブルーカーボンの定量的な測定には、対象生態系の種類や分布面積の把握のための調査が不可欠なものの進んでいない。 従来、鳥羽市で海草や海藻の分布面積調査を実施する場合、ダイバーによる潜水目視を行ってきた。

今回の実証実験では、水上ドローンはスマートフォンで設定した航路を自律航行し、搭載した水中カメラで対象の藻場を撮影。撮影映像の分析により、海草や海藻が占める面積の割合である被度の把握が可能なことを確認したという。

今後、水上ドローンの活用により、専門家の意見や判断を取り入れた遠隔での航行や、正確な位置を常時把握した定点観測が可能になるという。 ダイバーによる調査の事故発生リスクが低減され、遠隔でのモニタリングや制御ができるため、業務DXを期待できるとしている。

今回実証に参加した3者は、三重県内の5GやIoTなど先端技術を活用した水産業のデジタルトランスフォーメーション「海洋DX」の積極的な展開を目指し、2021年3月に県内の他機関を含める形で連携協定を締結した。 3者は今後も同地域での実証実験を継続し、藻場保全の課題解決に取り組んでいくとしている。

▶︎株式会社KDDI総合研究所

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