“親孝行者”安永安次 ゆかりのソテツ 敬老心を培う一助に

深緑の葉を茂らせているソテツ=長崎市尾上町

 長崎市尾上町の県警本部庁舎横で深緑の葉を茂らせているソテツ。実は、南島原市加津佐町津波見地区で親孝行者として語り継がれる江戸時代の農民、安永安次(やすじ)にゆかりがあるって知ってました?
 安次は親孝行に尽くした数々の逸話が残り、地元では毎年4月に遺徳をしのぶ「孝子祭」が開かれている。このソテツはもともと安次が両親のために隠居場に植えたとされる。県によると、旧県庁舎が完成した1953年に子孫が県民の敬老心を培う一助になればと県に寄贈。その一部が2017年、現在地に移植された。
 長い間、親孝行の大切さを静かに訴え続けているソテツ。来月19日の「敬老の日」を前に、県警本部や隣の県庁にお寄りの際は、安次の思いに触れてみては。

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