MEGA WEB跡地に25年秋に向け次世代アリーナ建設へ。『TOKYO A-ARENA PROJECT』始動

 8月29日、トヨタ自動車とトヨタ不動産、バスケットボールB.LEAGUEのアルバルク東京を運営するトヨタアルバルク東京は合同プロジェクト発表会を行い、これまで数多くのモータースポーツのイベント、発表会の舞台として使用されてきた東京都江東区青海のMEGA WEBの跡地に、『TOKYO A-ARENA PROJECT』と題したアリーナを建設すると発表した。

 MEGA WEBはモビリティの体験型テーマパークとしてアムラックストヨタが運営し、1999年にオープン。クルマをはじめとしたさまざまな体験が楽しめたほか、TOYOTA GAZOO Racingのモータースポーツの活動を伝えるGRゾーンをはじめ、ルーキーカフェなどモータースポーツの雰囲気を伝えるコーナーが設けられていた。またトヨタのモータースポーツ体制発表やファンとの交流イベントやレーシングカーのデモランイベントの舞台として活用されてきた。

 そんなMEGA WEBは、複合型施設『パレットタウン』の営業が2021年12月から順次終了していったことにともない、2021年12月31日に営業を終了。跡地は「新たな賑わい創出に資する施設を企画・検討」するとしていた。

 この跡地の再開発プロジェクトについて、8月29日、『TOKYO A-ARENA PROJECT』と題したプロジェクトが発表された。トヨタはこれまでさまざまな運動部を支え、スポーツの力に助けられてきたという。

「社長の豊田章男には『社長就任以来13年、赤字転落、リコール問題、東日本大震災とさまざまな困難に直面してきましたが、立ち向かう勇気を与えてくれたのが運動部でした。最後まであきらめない姿、フェアプレーに徹し、人知れず努力する姿が、私に戦う勇気を与えてくれました』という思いがあります」とトヨタ自動車の早川茂代表取締役副会長。

 その思いをうけ「今回の新たなアリーナには、『スポーツとアスリートへの感謝』、『可能性に挑戦する人をサポートし続けたい』というふたつの思いをこめています」という。また、モビリティ技術を活用した新しい観戦体験を提供したいとしている。

『TOKYO A-ARENA PROJECT』の『A』にはアルバルク東京、青海、人のもつアビリティ、すべての始まりとしての『A』など、さまざまな意味が込められている。「たくさんの笑顔を作ってくれたMEGA WEBの歴史を受け継ぐとともに、スポーツでさまざまな人々に笑顔を届けていきたい」と早川副会長。

 アリーナはMEGA WEBの跡地に建設され、1万人収容規模のメインアリーナ、サブアリーナ等で構成される。駅からの視認性と街のランドパークとなるようにデザインされた。内部は一体感を感じられる客席の配置となる。アリーナの運営はトヨタアルバルク東京が担い、アルバルク東京の本拠地として使用されるほか、さまざまなスポーツの魅力の発信地を目指していくという。

 今回のプロジェクト始動に向け、トヨタ自動車の豊田章男社長は「私は今までスポーツに何度も助けられてきました。社長になってから13年平穏無事と思える時は一度も私には訪れませんでした。しかし、そんな中で私を元気づけてくれていたのがアスリートたちです。TOYOTAの6文字を背負って戦うアスリートたちは競技を続けられる感謝の気持ちを常に表しながら『絶対に勝つ!』『トヨタは負けない』という気持ちをむき出しにして、いかなる苦境に立たされても最後の最後まで諦めずに戦ってくれました」とメッセージを寄せた。

「諦めずに戦うアスリートたちを見るたびに『自分も諦めずにがんばろう』と思うことができました。トヨタはこうしてスポーツに助けられ幾多の苦難を乗り越えてこれたといっても過言ではありません。ですから、どうしたらスポーツに恩返しができるのか? 私は、そんな気持ちを常に忘れないようにしてきました。トヨタがパラリンピックのサポートをはじめたのもそんな気持ちがあったからでした」

「2015年よりIPCのパートナーとなりパラアスリートをサポートするプログラムもスタートしました。昨年、パラリンピックが開催された際、そのプログラムを活用して競技を継続してきたパラアスリートたちから感謝のメッセージをいただき、私は、またアスリートたちから勇気づけられることになりました。スポーツには人を勇気づける力があるのだと思います。そしてパラアスリート達の声を聞くと『人の可能性を広げていくスポーツの偉大な力」』に改めて気づかされます」

「このアリーナは、トヨタのバスケットボールチーム『アルバルク東京』の新しいホームでもありますが、さまざまな競技の聖地になっていって欲しいと考えています。パラスポーツや、競技人口が少なかったり、知名度が低くまだまだファンやサポーターが少ない競技などの力にもなっていければと思っています。今まで見たことのないアスリートたちの戦いを間近で見れるようになったり、人類が今までは到達しえなかった記録を破り新たな可能性を拓いていく、そんなことが実現できたら私自身も含め多くの人が勇気づけられ笑顔になれるのではと信じています」

「本日よりこの『TOKYO A-ARENA PROJECT』を進めてまいりますが、我々の持つ想いに共感いただける方々に今後、多く出会えたら、と願っております。多くの皆さまと想いをともにしながら『可能性を広げるアスリートたちの聖地』を目指したいと考えております。みなさま、よろしくお願いいたします」

お台場のMEGA WEB跡地に25年秋に建設されるTOKYO A-ARENA
お台場のMEGA WEB跡地に25年秋に建設されるTOKYO A-ARENA
トヨタ自動車の豊田章男社長、トヨタアルバルク東京の林邦彦社長、トヨタ不動産の山村知秀社長

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