台風11号 なぜ予報円が急に拡大? 来週初めに西日本に影響の可能性も

台風11号は、このあと発達しながら西に進む予報です。その後、沖縄の南海上に達したあとは予報円が一気に大きくなっています。これは台風がどこに向かうのか予想が固まっておらず、不確実性が大きいことを意味しています。

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なぜこのように予報円が急に大きくなるのでしょうか。そのあたりを海外の予報機関のデータを用いて説明します。台風の予報は予想時に入力するデータを微妙に変えるなどして数十通りの計算を行います。(図の一つ一つの線が個々の計算結果です)

西に向かううちはわりと予想データが揃っているため同じように線が集まっており、予報円はそんなに多くありません。

ただ沖縄近海に達したあとは、台風の動きが鈍くなります。また向かう方向もバラバラの向きに予想されています。このため、予報円が重なっているのと同時に、一気に予報円が大きくなっています。

気象庁の予報では5日先までしか発表されませんが、海外の予報機関のデータをみると、その後、北へ向かって、週明けに西日本付近に影響を与えるコースをとる可能性を示すデータもあります。このあたりは予報が不確実なため参考程度の情報で、まだなんとも言えないというのが正直なところですが、少し気になるデータではあります。

一方、台風接近前でも、西日本付近に停滞する秋雨前線の影響で雨が降りやすく、雨量がまとまってくるおそれもあります。あさって以降は台風や前線の動きを気にしながら最新の気象情報をご確認ください。

( RCCウェザーセンター 気象予報士 岩永 哲 )

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