真鶴名簿不正問題 町議が辞職へ「町民にうそをつき、だました」 陣営関係者の名簿持ち出しを認識

真鶴町の選挙人名簿を陣営関係者が撮影し持ち出した問題で議員辞職の意向を示した木村勇氏=小田原市内

 真鶴町の選挙人名簿不正使用問題を巡り、昨年の町議選で自らの陣営関係者が閲覧用名簿を撮影し持ち出したことを受け、木村勇町議(39)が29日、「町民にうそをついてだましてきた。未熟で稚拙で議員であり続けるべきではない」と辞職の意向を示した。9月の町議会定例会後に辞職届を提出するという。

 木村氏によると陣営は昨年9月、選挙はがきに使うリスト作成を目的に町役場で名簿の閲覧を申告。陣営のスタッフとして土屋由希子・湯河原町議が持ち込んだタブレット型端末を使用して約800人分の名簿を接写した。木村氏は撮影の現場にはいなかったが、当日のうちに土屋氏から写真を見せられ、持ち出しを認識していたという。

 この日、小田原市内で会見した木村氏は「松本町長の名簿不正使用で混乱している町をさらに輪をかけ混乱させ、選挙の公平性を害した。町民らを深く傷付け申し訳ない」と謝罪。神奈川新聞社の報道によって問題が発覚した後の今月26日、町選挙管理委員会の聞き取り調査で委員長から「自分の未熟さや稚拙さを指摘された」(木村氏)ことから辞職を決意したという。

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