間違えてない?「ご自愛ください」の正しい使い方

おはようございます。好印象マナー講師の林慶子です。

ひとつのテーマを1週間意識して過ごすことで、マナーや心遣いが自然と身に付く!そんな連載コラムを毎週火曜日にお届けしています。

【今週のテーマ】「ご自愛ください」を正しく使おう

早いもので、8月ももう終わり。少しずつ秋の気配を感じるようになりましたね。

体調を崩しやすい季節の変わり目などによく使われることばのひとつに、「ご自愛ください」があります。

メールや手紙の結び言葉として使われますが、正しい使い方ができていない人も…。

お相手の健康を気遣う気持ちが100%伝わるように、今日は「ご自愛ください」の正しい使い方をおさらいしておきましょう!

【1】「お体」は付けないのが正解

「ご自愛ください」の「自愛」は「自分の体を大切にする」という意味。

つまり、「お体ご自愛ください」とすると、「お体お体 大切にしてください」と、「お体」が重複した内容になってしまうのです!

メールや手紙の末文にこの表現を使いたいとき、「お体」は付けずに「季節の変わり目、何卒ご自愛ください」などと表現しましょう。

【2】元気な人に使うのがマナー

「ご自愛ください」には、「今の健康な状態を保ってください」「(これから)体調を崩しませんように」というニュアンスがあります。

すでに体調を崩している方に対しては「お大事になさってください」などのことばを使うようにしましょう。

【3】ほかの表現も覚えよう

「ご自愛ください」と似たことばで

「お身体おいといください」

という大和言葉があります。

これも、お相手の健康を祈る結びのことばのひとつ。私は、この柔らかい文字が好きでよく使います。

この表現を使うときに気を付けたいことは次の2つです。

  • (1)「お身体」を付ける

そう、「ご自愛ください」は「お体」「お身体」を付けませんが、「おいといください」は「付ける」のが正解!

ちなみに、人間以外にも使える「体」よりも、「身体」を使ったほうが印象がよくなります!

  • (2)「おいとい」はひらがなで書く

「厭(いと)う」が「厭(いや)」と同じ漢字になるため、ひらがなで書きましょう。

【4】書き言葉で使うのが自然

「ご自愛ください」

「お身体おいといください」

は、どちらも、基本的にメールや手紙の中で『書き言葉』として使われることが多く、会話の中ではあまり使いません。

使っても間違いではありませんが、違和感を覚える方がいらっしゃる言葉ということを知っておくといいですね。

***

お相手の健康を気遣うステキな言葉。心を込めて、正しく使えるように、意識してみてください。

Have a ごきげんday!

☆この連載は<毎週火曜日>更新です。来週もどうぞお楽しみに!

© アイランド株式会社