子育てで「孤独を感じる」無園児の保護者…いざというときにすぐに頼れる緩い繋がりが重要

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。8月22日(月)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、保育所や幼稚園に通っていない“無園児”の保護者の現状について取り上げました。

◆子育てで孤独を感じる無園児の保護者は、43.8%

保育所や幼稚園などの施設に通っていない小学校就学前の子ども、いわゆる「無園児」の保護者のうち、「子育てで孤独を感じる」と答えた人が43.8%にのぼることがNPO法人の調査でわかりました。

年代別で見ると、10代が57.1%、20代が50.4%で、若い世代の保護者で高い傾向に。

一方、保育所や幼稚園に通っている子どもの保護者が、「孤独を感じる」と答えた割合は、33.2%でした。

政府は無園児の対策として、先進的な取り組みをしている自治体や民間団体への聞き取りを進め、来年4月に創設される「こども家庭庁」で家庭訪問や困りごとの把握といった具体的な支援のあり方を検討する方針です。

◆「孤独を感じる」若い世代の保護者に対し、できること

孤独対策に取り組んでいる、NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、この調査に関し「これはインターネットのアンケートであり、保育園をやっているNPOによる無園児に関するアンケートなので、有意義なものではあるが統計的には意味がないもの」と主張しました。その上で「重要なのは、無園児が悪いわけではない。就学前に、保育園や幼稚園に通わせていない親が悪いわけではない」と声を大にします。

ただ、そうした家庭は孤立しやすいというリスクをはらんでいるため、「少なくも見守りは必要」と話しました。「緩い繋がりがあり、それがしっかりと見守り、自由を保証したまま、いざとなったらすぐに頼れることが大事」と主張します。

むしろ大空さんが問題視しているのは「民生委員・児童委員の制度」で、「民生委員とは別に児童委員を作ったが、同じ人たちがやっている。これはほとんど意味がない」と指摘。

本来、児童委員はまさにこうしたリスクを抱える可能性がある家庭を地域で支援し、見守ることを前提として作られましたが「果たして、子育てしているみなさんが、地域の70代、80代の頑張っていらっしゃる児童委員・民生委員に相談できるかと言えば、それはできない。特に東京だと、顔も知らないだろうし」と訴えます。

仕組みはあるもののうまく運用できていない現状を案じ、「仕組みを変えてもっと若い世代、現役世代を入れる。民生委員・児童委員の連合会の方々はもう少し柔軟になり、受け入れる姿勢が必要だと思う」と改善を切望します。

臨床心理士のみたらし加奈さんは「保護者の孤独化は、虐待に繋がる恐れもある。虐待の連鎖は、孤独・孤立から始まったりすることもある」と懸念。

臨床心理士として現場で関わっていくと同時に、みたらしさんが個人としても最近実践しているのは、子どもがいる方々への直接的な支援。子育てをしている夫婦やシングルファーザー・シングルマザーの子どもの面倒を見るなどしているそうで、そうすることで「(保護者たちの)時間を確保してあげること、繋がりがあるという実感を持たせることは、みんなができるアクションだと思う」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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