共働き率全国1位だけど家事は女性任せ…福井県の夫婦で料理の手際に違いある? お茶の水女子大学と男女差調査

調理の様子を撮影し、動きの違いを調べる斎藤悦子教授(右)=8月27日、福井県福井市の福井県生活学習館

 男女共同参画を推進するため、福井県と共同研究を行っているお茶の水女子大学は8月27日、共働き夫婦を対象に調理に関する実演調査を福井市の福井県生活学習館で行った。調理中の動きについて、男女の差に加え、食事作りの頻度差による男性の手際の違いを調査。9月下旬まで調査を続けて、家庭での男性の食事作り参加を促すための支援策を考えていく。

 共同研究は、性差に基づく製品開発を目指す同大ジェンダード・イノベーション研究所の斎藤悦子教授らが取り組んでいる。福井県は共働き率が全国1位(2020年国勢調査)である一方、家事・育児時間の男女差が全国45位(16年社会生活基本調査)で女性の負担が大きい。特に男性参加の少ない食事作りに着目した。

⇒小室淑恵さんが語る、幸福度ランキング1位の福井

 この日は、夫が夕食を作る頻度が週2日以上の夫婦3組と週1日以下の3組を調査。1人ずつ全員にみそ汁とおかず1品をレシピを基に作ってもらい、調理の様子を4台のカメラと頭に取り付けた小型カメラで撮影した。今後、調理中の一つ一つの動きをデータ化し、どの工程で戸惑ったかなどを分析。教育プログラムや調理器具の開発などに生かし、男性の食事作り参加を促す。

 調理後は、男性が調理に参加しにくい背景を探るため、自宅の台所の環境や平日の帰宅時間、料理経験の有無などの聞き取りも行った。

 調査はこの日を含め、福井県内で4回行う。斎藤教授は「福井の女性がより活躍するためには家事労働の分担が必須。男性のモチベーションを高められるようなサポート策を考えていきたい」と話していた。

© 株式会社福井新聞社