仲野太賀が本格シットコム「ジャパニーズスタイル」で 30分ノンストップの本番一発勝負。「自由に思うがままにぶつかっていきます」

仲野太賀が、テレビ朝日系では10月にスタートする連続ドラマ「ジャパニーズスタイル」(土曜午後11:30。開始日未定)で主演を務め、本格的なシチュエーションコメディーに挑戦する。

シチュエーションコメディー=シットコムとは、限られた場面設定、登場人物で繰り広げられる連ドラのこと。コメディーからシリアスまでこなす演技派の仲野が、脚本・金子茂樹氏、監督・深川栄洋氏とタッグを組んで、同局初のシットコムで新境地を開拓する。

舞台となるのは、さびれた温泉旅館「虹の屋」の玄関とロビー、従業員室・大浴場の入口とエレベーターのみ。その限られた空間で、30分間ノンストップの群像劇が繰り広げられていく。もちろん、撮影自体もほぼ本番一発の長回し。毎回、何が飛び出すか分からない展開から目が離せなくなる。

物語は、温泉旅館「虹の屋」の3代目である父親に反発し家を飛び出したものの、うだつの上がらない毎日を送っていた柿丘哲郎(仲野)が10年ぶりの帰宅を果たすところから始まる。そんな彼を待ち構えていたのは、一癖も二癖もある猛者たちだった。彼らに翻弄(ほんろう)されながらも、哲郎もまた持ち前のクズっぷりを見せて、ドタバタ劇はより加速していく。主演の仲野に加え、個性豊かな演技巧者たちの共演も決定しており、続報に期待が高まる。

本作への出演について、同局のドラマで初主演となる仲野は「珍しいコンセプトで、チャレンジングなドラマになると思うので、初めてお話をいただいた時はとてもワクワクしました。おそらく僕だけではなく、キャスト、スタッフの皆さんも初めての経験が多くなると思うので、みんなで力を合わせて頑張りたいです。シットコムは、これまでにもアメリカの作品などを見て楽しんできましたが、今回は外国の作品の言い回しや雰囲気をまねるのではなく、自分たちが作り出せるもので勝負し、土曜日の夜に気楽に見られるドラマになるといいなと思っています」と気合十分。

さらに、「本作は、舞台とも違いますし、通常のドラマ撮影とも違うものになると思います。今まで経験したことがないことにチャレンジするということに、とても興味が湧いています。舞台だと稽古期間があり時間をかけてセリフを入れていくのですが、今回はそういう時間もなく、毎話、ほぼ本番一発勝負なので、まずは、セリフを覚えられるか不安です(笑)。ちゃんとセリフを自分の中に入れて、自由に思うがままにぶつかっていきたいです」と意気込み、「ノンストップ撮影という緊張感と臨場感…怖いもの見たさといいますか、そういう気持ちで見てもらえたらいいなと思いますが…普段のドラマを見る感覚とはまた違う感じで、『コイツ、こんなところで失敗してる!』とか、そういう部分もニヤニヤしながら楽しんでもらえたらうれしいですね」と期待を込めた。

そして、「俺の話は長い」「コントが始まる」(ともに日本テレビ系)などで知られる、脚本の金子氏は「今回、シットコムドラマに初挑戦させていただきます。脚本に関して、温泉旅館のロビーという限定された空間の中で話を展開させないといけないので、会話の緩急や人の出入りなど飽きさせないためのアクセントやリズムには、通常のドラマ以上に気を使っっているかもしれません。ほかにも大変なことを挙げたらきりがないのですが、これを演じる役者さんの大変さに比べたら屁でもありませんので、1日でも1時間でも早く台本をお渡しできるよう必死に書いております」と明かす。

加えて、主演の仲野に関しては「愛くるしい室内犬と凶暴な野良犬の両面があって、どっちの針も振り切れているようなイメージを持っています。それでいてシリアスな中に笑いが含んでいたり、コメディーの中に悲哀が混ざっているような表現も抜群にうまいので、以前、ドラマでご一緒した時も『台本を超えられたなぁ』と思うことが、たびたびありました。今回も楽しみでしかありません」と信頼を寄せ、「脚本家になった頃から『いつかこういうことができたらなぁ』と思っていたことをやらせてもらえる機会に恵まれ、しかも(まだ言えませんが)素晴らしい役者さんたちにもお集まりいただき、喜びと焦りを交互にかみ締めながら日々台本と向き合っております。日本のどこかにいる中学2年生とか高校1年生ぐらいの子がたまたま見て『テレビって面白れぇな』って思ってくれたら最高ですね」と本作に込める思いを伝える。

ドラマを手掛ける竹園元プロデューサーは「待望の金子茂樹さん脚本・オリジナル新作! 主演は、圧倒的な演技力で飛ぶ鳥を落とす勢いの当代きっての若手実力派俳優・仲野太賀さん! ドラマファンにとって絶対見逃せないドラマがいよいよ誕生します。しかも、監督は『生ドラマに挑戦したかった』という深川栄洋監督。ライブ感満載のシットコムに挑戦するのは、もはや運命だったのかもしれません。くせ者だらけの愛すべきキャラクターが巻き起こすドラマ『ジャパニーズスタイル』は、今だからこそ『テレビの面白さ』を追求し、さらに『テレビの枠』を飛び出してしまおうというチャレンジ企画です。『懐かしくも新しい』『何が飛び出てくるか分からない』…全世代の方々に楽しんでいただけるドラマに、ぜひご期待ください!」と熱くアピールしている。

実家の旅館「虹の屋」の窮地を救うため、10年ぶりの帰宅を果たす哲郎だが、変わり果てた旅館の姿に絶句。100年の伝統を誇る老舗旅館の品格やサービスは完全に消え失せ、一筋縄ではいかない従業員が居座る“くせ者の吹きだまり”と化していた。口が悪い流しのフラメンコダンサー、温泉嫌いで潔癖性の支配人、息子と占いに人生を捧げるシングルマザーの仲居、その母親と一輪車を愛する少年のような従業員、UNO依存症の料理長、省エネ仕事で40年も旅館にしがみつく古株…。そんな強敵が待ち構えているとも知らずに、旅館にやって来る哲郎は「お引き取りください」と家に上げてもらえない事態に。あの手この手を使って家に上がろうとするも、鉄壁の守備に跳ね返され玄関で泣き崩れる哲郎、そこに現れる謎の大男。果たして家に上げてもらえるのか? 従業員たちに受け入れられる日はやって来るのか? さびれた旅館のロビーにカオスな嵐が吹き荒れる。

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