川崎市営バス、車いす利用者乗車拒否 国交省からバス1両30日間使用停止処分

市営バスの車いす利用者の乗車拒否を謝罪する市交通局職員=30日午後5時半ごろ、川崎市役所

 川崎市交通局は30日、塩浜営業所の市営バスが車いす利用者の乗車を拒否し、道路運送法第13条に違反したとして、国土交通省関東運輸局から市営バス1両が30日間の使用停止処分を受けたと発表した。

 市交通局によると、2021年11月20日午前6時45分ごろ、川崎区の四谷上町停留所で車いす利用者の成人男性がバスを待っていた。男性運転手=当時(60)=は、車内の車いす固定スペースに健常者の乗客が座って寝ていたため、「この後にすいているバスが来るから」とマイクで伝え、乗せなかった。男性は約12分後、後続バスに乗ったという。男性が同日、同営業所に苦情を伝えていた。

 運転手は「車いすスペースで乗客が寝ていたため、声掛けするのは申し訳ないと思った」との趣旨の説明をしているという。市交通局は運転手を訓戒処分とし、「障害を持つお客様にこのような事案を発生させ、誠に申し訳なかった」と謝罪した。

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