試行錯誤!農大生が学生寮の屋上でメロンを栽培 東京・世田谷区

東京・世田谷区にある学生寮の屋上で「メロンの収穫」が行われました。育てたのは寮に住んでいる農業大学の学生たちです。果たして屋上で育てたメロンの味はどんなものだったのでしょうか。

カラフルなトマトや独特な苦味が特徴のケール、2.5キロ以上のものもあるという大きなメロンといった野菜や果物が実っているのは、世田谷区にある学生寮の屋上です。この野菜や果物を育てているのは寮に住む農業大学の学生たちです。土がない屋上で作物が育ちやすいといわれる水耕栽培に取り組み、化学肥料を使わない有機肥料で育てるなど、試行錯誤を続けています。

学生寮を運営する共立メンテナンスの小野賢二郎部長は「住むだけでない、学びの場として寮を提供したいと考えた」と話します。屋上での栽培の試みは"寮でも日常的に農業に触れられるように”と今年5月から始まったものです。

この日は3カ月半かけて育ててきたメロンの成長具合を見るため、収穫してみることになりました。寮母さんにカットしてもらうと、中はきれいなオレンジ色に色づいていました。しかし見た目は食べ頃ですが、味の方はまだ少し熟していませんでした。栽培の難しさを実感した学生たちですが、よりおいしく作れるよう、意欲を燃やしています。東京農業大学の学生・細谷勢太郎さんは「少し時期が早かったのかな。店で食べるのとは違った味わい。改良の余地がある」、同大学の学生・吉渓晶弥さんは「今後はメロンの品質を上げられるよう、自分から努力し、積極的に学んでいきたい」と語りました。

<食べて学ぶ!学生寮の屋上でメロン栽培>

寮の屋上で学生たちが水耕栽培したメロンは有機肥料で作られたものです。化学成分を使用せず、カツオのあらやサトウキビなど自然由来のもので作られているということで、野菜は有機肥料に含まれるアミノ酸によって味が濃くなったり糖度が上がったりするということです。今回、学生たちは収穫のタイミングが少し早かったようですが、数日熟成させると、メロンは甘さが増していました。

今回の経験は学生たちが自ら野菜を育て、実際に食べてその結果を学ぶという"実践すること”の大切が伝わるものとなりました。学生寮の屋上での経験を通して、東京の農業を支える人材が育っていくといいですね。

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