「世界に魅力発信」五島リトリートray開業 鐙瀬地区に高級ホテル 双日

ゆとりのある空間から海を一望できる定員4人の客室「パノラマデラックス」=五島市上崎山町

 総合商社の双日(東京)が長崎県五島市の景勝地、鐙瀬(あぶんぜ)地区に建設を進めていた高級リゾートホテル「五島リトリートray(レイ)」が30日オープンし、関係者が完成を祝った。
 客室は26室。「祈りの島、光の宿」をコンセプトに、大きな窓で開放的な造りになっており、全室から海と空を一望できる。定員2~4人の5タイプの部屋全てに露天風呂が付く。料金は1人当たり1泊2食付き5万~6万円台。
 敷地面積は約1万5千平方メートル。鉄筋コンクリート3階建て。五島市のシンボル鬼岳を望むレストランでは五島産の食材を使った料理を提供する。

レストランからも海を一望でき、逆方向には鬼岳が見える

 神奈川県箱根や壱岐市でホテルブランドを展開する温故知新(東京)が運営。アフターコロナを見据え、海外向けのPRにも取り組む。
 市は2019年、鐙瀬地区の活用のため、富裕層向けホテルの建設を軸に雇用創出や交流人口の拡大を図るプランを公募。地方創生プロジェクトを各地で進める双日が応募して事業者に決定し、21年3月から建設を進めていた。
 式典には約60人が出席。テープカットして祝った。双日の藤本昌義社長は「ホテルを軸に五島市、県、九州のブランド価値向上につなげ、総合的な活性化のため地域とともに進んでいきたい」とあいさつ。温故知新の松山知樹社長は「旅の目的地となるよう世界中に魅力を発信していきたい」と述べた。


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