在日外国人差別の実態を追った映画「ワタシハニンゲンダ!」 東京でも好評

技能実習生や難民申請者、入管収容者ら在日外国人差別の実態に迫ったドキュメンタリー映画「ワタシハニンゲンダ!」が好評につき、東京・アップリンク吉祥寺での上映期間が9月8日まで延長された。神戸では元町映画館で9月2日まで上映中。(新聞うずみ火編集部)

監督の高賛侑(コ・チャニュウ)さんは在日朝鮮人2世でノンフィクション作家。前作「アイたちの学校」(2019年制作)で朝鮮学校への差別問題に焦点を当て、国内外で大きな反響を呼んだ。

「マジョリティにこそ見てほしい」と高さん=大阪市生野区

本作品では、すべての在日外国人に対する差別政策の全貌を浮き彫りにする。人権侵害に苦しむ外国人の共通の叫び――「私たちは動物ではない。人間だ!」をタイトルにした。

当事者、支援者、弁護士らが生々しい証言をつなぐ。技能実習生がさらされる差別的な言動や暴力が記録された映像、入管内の暴言や暴行などの映像もある。支援団体や弁護士を通じ入管内の衝撃的な映像を入手したもので、未公開のものも含まれている。

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高さんは在日外国人に対する差別的処遇の経緯も描写。日本が朝鮮半島を植民地化した1910年にさかのぼり、法や制度がいかに作られてきたかを時系列でたどった。「(日本にいる外国人の処遇は)煮て食おうと焼いて食おうと自由」と法務省の参事官が記したのは65年。日本政府の排外主義はその後、ニューカマーにもo適用されていく。

高さんは「人権を守る闘いは当事者自身の運動が最も重要ですが、選挙権もないマイノリティーだけの闘いでは限界があります。マジョリティが参加してこそです」と話す。

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