禁じられた遊び!役人たちが夢中になりすぎた「かりうち」をご紹介

禁じられた遊び!役人たちが夢中になりすぎた「かりうち」をご紹介

現代でも、子どもから大人までに人気のボードゲーム。
実は奈良時代にはすでに「かりうち」というすごろくのような遊びがあったという。

奈良市の奈良文化財研究所(以下:奈文研)は、平城京・宮跡や各地の遺跡から底面に点や円形が描かれた土器を発見。
研究を進めるうちに、当時役人たちが夢中で遊んでいた「かりうち」の遊び方が見えてきた。

2021年、かりうちが原型とされる韓国の「ユンノリ」やかりうちが登場する「万葉集」を元に、当時のボードやサイコロを模した試作品を製作。
そして研究に研究を重ね、現代にかりうちを復活させた。

かりうちは器やレンガを利用した盤面とコマ、そして「かり」と呼ばれるサイコロ代わりに投げる棒を使って遊ぶ。

発見した土器の側面に描かれている点や円形は、最初は何か疑問だったそうだが、盤面として使われていたということが分かった。

奈良時代には、かりうちを使った賭博が行われたとされ、歴史資料には禁止されたという記述も残っており、役人たちが夢中になって遊んでいたことがうかがえる。

復元した「かりうち」の遊び方

遊び方はいたってシンプル。
かりを投げて、出た目によって盤面のコマを進め、先に4個のコマすべてをゴールさせれば勝ちというもの。

用意するもの

盤面・かり・コマ

かり=一面を平端にした棒×4本
コマ=4個セット×2セット(チームごとに色を揃える。)

対戦の準備

①2つのチームに分かれ、それぞれ4個ずつのコマを「ひかえ」に置く。
②先行・後攻をきめる。

対戦のながれ

①交互にかりを投げて、目の数だけコマを進める。
②4個のコマすべてを、先にゴールさせたチームの勝ち!
・ひかえのコマは、2投目以降、好きなタイミングでスタートさせる。
・ゴールしたコマは「あがり」におく。
・1投につき1つのコマだけが進める。

コマのうごかしかた

スタートから反時計回りに進める。

かりの白い面が出た数だけ進めることができる。この場合は「2」。※ただし黒い面が4の場合「5」進めることができる。

●にコマが止まったら、→のほうに進める。盤面の中心にある◎にコマがとまったら、さらにショートカットできる。

【おんぶ】自分のコマと同じマスに止まったら、次から重ねて動かせる。

【どんでん返し】相手のコマと同じマスにとまったら、相手のコマを「ひかえ」に戻すことができる。

先に4個すべてゴールした方の勝ち!

奈文研はこのかりうちの実用化を図り、世界遺産・平城宮跡での全国大会開催を目指すという。

また、このかりうちは『平城宮跡資料館』で遊べます!

古代人が夢中になった遊びを体験してみよう。

日本かりうち協会(奈良文化財研究所)

日本かりうち協会は、独立行政法人 国立文化財機構 奈良文化財研究所を本部事務局としている。
【住所】奈良市二条町2-9-1
【問い合わせ】0742-30-6710

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