「すごく複雑なクルマだ」アウグスト・ファーフスに聞くLMDhカー・BMW Mハイブリッド V8

 BMWモータースポーツがLMDhカテゴリー向けに開発を進めている『BMW Mハイブリッド V8』。8月、スペインのカタルーニャ・サーキット、さらにモーターランド・アラゴンでテストを行ったと言われているが、BMWはこのテストに参加したドライバーを発表しており、このなかにスーパーGT GT300クラスにも参戦しているアウグスト・ファーフスの名があった。8月27〜28日に鈴鹿サーキットで行われたスーパーGT第5戦に参戦したファーフスに、BMW Mハイブリッド V8について聞いた。

 盛り上がりをみせるLMDhに向け、BMWが開発を進めているのがBMW Mハイブリッド V8。2024年のWEC世界耐久選手権参戦に向け開発が始まり、カタルーニャとアラゴンでテストを行った後、アメリカに送られる予定となっている。

 そんなBMW Mハイブリッド V8をシェルドン・ファン・デル・リンデやマルコ・ウィットマン、ニック・イェロリーらとともにドライブしたのがファーフスだ。多忙なスケジュールのなかスーパーGT第5戦のために鈴鹿を訪れたファーフスに「LMDhについて聞くことはできるか?」と聞くと、「もちろんだ」と多くは語れないながらもテストの感触を語った。ちなみにファーフスによれば、BMWと契約したレネ・ラストもすでにテストに参加しているという。

「僕はバルセロナで5日間テストを行ったんだ。今回はBMW Mハイブリッド V8での最初のテストだったけれど、どんな新しいクルマでも問題はあるし、新しいスタッフもいるからね。細かいトラブルはあったけれど、新しいクルマにはつきものだ。でもコンスタントに走行することができた」とファーフスはテストについて語った。これらはBMWモータースポーツが広報を通じてコメントした内容とも合致する。

 そして、BMW Mハイブリッド V8の印象については「すごく複雑なクルマだ」としつつ、今後の開発への課題についてファーフスは「ブレーキシステムの開発が最も重要になると思う。エネルギー回生が必要になるからね。複雑な開発になるけれど、エネルギーを最大限に活用できるシステムを作っていかないといけない」とハイブリッドシステムの開発が重要になると示唆した。

「ハイブリッド、エンジンと、もちろんまだまだやることはたくさんあるけれど、うまくマネージメントしながら、たくさんの時間をドライブしたんだ。今はクルマを熟成させ、多くのテストを積み重ねる時期だけれど、今の段階では良いポジションにいると思う」とファーフスは期待を込めた。

 では2024年、ファーフスはBMW Mハイブリッド V8のステアリングを握るのか……? との問いについては答えをはぐらかしながら、「BOBさん(BMW Team Studie鈴木康昭代表)とのスーパーGTは100%だけどね」と笑った。

バラーノでシェイクダウンされたBMW MハイブリッドV8
バラーノでシェイクダウンされたBMW MハイブリッドV8
バラーノでシェイクダウンされたBMW MハイブリッドV8
2022スーパーGT第5戦鈴鹿 Studie BMW M4
2022スーパーGT第5戦鈴鹿 BMW Team Studieの鈴木康昭代表、アウグスト・ファーフス、荒聖治、近藤翼、BMW Team Studie RQ

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