2022年長江文化フェスティバルが張家港で開幕

張家港市の長江の景観

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【張家港(中国)2022年8月31日新華社=共同通信JBN】中国東部に位置する江蘇省の港町、張家港で8月27日に2022 Yangtze River Culture Festival(2022年長江文化フェスティバル)が開幕し、10月まで開催される。Yangtze River Culture Festival組織委員会によると、毎年の集まりは芸術家、学者、長江流域の無形文化遺産の継承者にとって習慣となっている。イベントは19年連続で開催されただけに、人々は小さな町がなぜ長江地域全体でこれほど影響力を持っているのか不思議に思わざるを得ない。

長江本流には90度以上の湾曲部が181カ所あり、海に近い最後の湾曲部が張家港湾を形成している。今日では、川が見られ、懐かしさを覚えるエコロジカルな景勝地となっている。さほど遠くないとこには、2020年に開通し、高速鉄道が上海・江蘇省北部間を走る滬蘇通長江公鉄大橋(Shanghai-Suzhou-Nantong Yangtze River Bridge)がある。特に橋上では、川岸で壮大な川と街並みを楽しむことができる。

上海から約130キロメートル離れている張家港は江蘇省蘇州市の県級市にすぎないが、経済力の面では常に中国トップ3の県級市にランク入りしている。張家港に住む人々の努力の精神は、まず潮の流れを作る勇気を伴う川岸の生活体験に由来するというのが定説になっている。

張家港はわずか60年前に設置されたが、考古学的な発見では長江流域で初めて文明が出現した場所であることが明らかになっている。発掘された磁器には西洋スタイル特有のパルメット模様があり、唐朝および宋朝期には中外交流にとって重要な港だった。

歴史の浅い張家港市は、同市の経済を次のレベルに押し上げようとしているだけでなく、さらに重要なこととして、より高度な文明都市としての地位を確立しようとしている。1990年代から高度な文明は同市の誇りで、Yangtze River Culture Festivalは主なイニシアチブの1つである。

この文化フェスティバルに何度も参加経験のある芸術家であるLiu Pengchun氏は、長江流域の芸術家には多様な生活習慣があるが、フェスティバル主催者は彼らの異なるニーズを満たしており、それが人々をイベントに引き寄せていると述べた。張家港は中国トップのボランティア団体を誇りにしている。

このフェスティバルが流域中に反響し得るもう1つの理由は、張家港が文化的表現を大切にしているからだ。そこでは長江文化の多様性をステージ上で完全に示すことができる。

近年、長江保護と長江文化推進のコンセプトは、中国で全国的な認知を獲得してきた。「Integrate, Promote, Share(統合、促進、共有)」をテーマとした今年の文化フェスティバルでは、聴衆が長江流域の多様で優れた文化財展示、無形文化遺産展示品、文化的パフォーマンスなどについて学び、オンラインとオフラインで交流することが可能。

2014年に BBCのプロデューサー、Simon Reeve氏がドキュメンタリー「Sacred River: Yangtze River」で鮮やかな長江文化を収録し、その中で乱開発についての懸念も表していた。あいにく同氏は張家港を訪れたことがない。張家港は、長江および現在周辺地域に居住する中国人を理解したいという人にとっては不可欠の選択肢である。

ソース:The Organizing Committee of Yangtze River Culture Festival

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(画像説明:張家港市の長江の景観)