豊田章男社長、WRC参戦の重要性を強調「トヨタの価値を高めることにつながっている」

 自身がチームオーナーを務めるTOYOTA GAZOO Racingのカーボンニュートラルの取り組みを伝えるべく、WRC世界ラリー選手権第9戦『イープル・ラリー・ベルギー』を訪れた豊田章男社長は、トヨタがWRCに参戦する重要性について語った。

 豊田社長は、9月19~21日にベルギー西部のイープルを中心に開催されたターマック(舗装路)ラリーにおいて、WRCで過去4度ワールドチャンピオンに輝いたユハ・カンクネンとともに、水素エンジンを搭載した『トヨタGRヤリスH2』のコンセプトカーによるデモンストレーション走行を実施した。

 TOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合2位、チームメイトのエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合3位となってダブル表彰台を獲得した日曜日、豊田社長はラリー終了後に記者団の取材に応じ、WRCがヤリスのブランド価値を世界的に高めるうえで重要であるとの考えを示した。

「トヨタ・ヤリスはヨーロッパだけでなく、ヨーロッパ以外の地域でも人気が高まってきています。それだけではなく、私たちは世界中でヤリスという車名に変更しました(日本名ヴィッツ→ヤリス等)」

「いまや、ヤリスという名前はモータースポーツにおけるトヨタのシンボルのようなものであり、本当にトヨタの価値を高めることに役立っていると思います」

 カンクネンが運転する横で最終SS20のパワーステージを走った豊田社長は、コース脇で目撃した数千人の観客に勇気づけられたという。

「大勢の観客がいるこのパワーステージは特別で、WRCの楽しさを実感しています」と豊田社長。

 同氏はまたWRCをグローバルな大会にするための取り組みについても称賛した。

「FIA国際自動車連盟は、世界中のフィールドからさまざまな場所を選んでいます。日本もその中に含まれたことは日本のラリーファンにとって、世界的なドライバーやコドライバーによる世界レベルのモータースポーツを見ることができるということ点から、非常に重要なことだと思います」

9月20日にはモリゾウとしてトヨタGRヤリスH2コンセプトのステアリングを握った 2022年WRC第9戦イープル・ラリー・ベルギー
豊田章男社長とエルフィン・エバンス 2022年WRC第9戦イープル・ラリー・ベルギー

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