なべやかん遺産|「フィギュアイベント」 芸人にして、日本屈指のコレクターでもある、なべやかん。 そのマニアックなコレクションを紹介する月刊『Hanada』の好評連載「なべやかん遺産」がますますパワーアップして「Hanadaプラス」にお引越し! 今回は「フィギュアイベント」!

マニア垂涎のイベント

7月24日、幕張メッセで行われた世界最大のガレージキットイベント『ワンダーフェスティバル2022夏』に行って来た。コロナの影響で去年は中止になり今年2月に行われた時はブース数や来場者が少なく寂しい感じがした。

しかし、今回はコロナ前とまでは行かないがイベントに飢えた人々で賑やかな空間になっていた。ワンフェスには初回(84)から参加し、東京ビッグサイトでのエスカレーター事故(08)の時も事故現場を目撃している。正直、あの事故は運営側の落ち度は見当たらない。
皆さんおとなしくエスカレーターに乗っていたからね。

それなのに急にエスカレーターが轟音を立てて下がってしまった。あれで事故になるのなら震災などの非常事態の時に人が押し寄せたら大変な事故になるね。通勤ラッシュ時の新宿駅だって同じくらい毎日混んでい
るのに。

ワンフェスの楽しさは当日版権という、この日だけ許諾が許された商品発売がある事だ。その為かなりマニアックな商品が発売されるので、それ目当てに訪れる人も多い。
イベント終了後、色んな人のSNSを見て「え、こんな商品が発売されていたの!?」と会場で発見できなかった悔しさに涙ぐんでふて寝する事も頻繁にある。

会場巡りは毎回『M1号』ブースからスタートする。『M1号』のオーナー・西村さんはコレクターの師匠である。まず師匠夫婦にご挨拶をし、今回販売される怪獣ソフビをチェックされていただく。

怪獣ブーム当時のデフォルメ怪獣ソフビを継承し91年にケムール人を発売すると大ヒット商品になった。M1号のケムール人が起爆剤になり後のディフォルメソフビブームに繋がっていく。ソフビを集めている人達はそういった歴史も是非お勉強していただきたい。

M1号のブース。ガラモン、鉄人28号、共に素晴らしい。どちらも欲しい。

バカが付くほどマニアック!

M1号のお隣は『U.S.TOYS』。ミニサイズの怪獣ソフビをメインに販売し、種類もカラーバリエーションも豊富にある。

「ミニソフビで億万長者?」と思うくらい様々な種類が発売されているので、税務署の方はU.S.TOYSさんをチェックした方が良いですよ!(笑)

U.S.TOYSはミニソフビで億万長者?

ワンフェスには日本全国、そして海外からも人が来ているので色んな人に会えるのが楽しい。
U.S.TOYSさんも関西だが、関西軍団のお仲間に会えるのが嬉しい。

『ステルス田中雷工房』は毎回驚愕のプロップ風レプリカを販売している。科学特捜隊、ウルトラ警備隊、MAT(モンスターアタックチーム)のヘルメットは毎回瞬殺完売。オープンと同時に売り切れてしまう。
その他、今回も新作がずらーっと並んでいた。スパイダーショット、モロボシ・ダンの杖、アンドロイド01コンパクト(ウルトラセブン)、ドロシーアンダーソンのブローチ(ウルトラセブン)、郷秀樹のペンダント(帰ってきたウルトラマン)。

スパイダーショットは初代ウルトラマン劇中で使われる科学特捜隊のウェポンで、劇中では何度か登場している。でも今回のスパイダーショットは、フルハシ(毒蝮三太夫さん)が使っているのではなくイデ(二瓶正也さん)が使ったバージョンだ。

モロボシ・ダンの杖は『ウルトラマンレオ』劇中で脚を痛めているダンが使っている杖である。子供の頃、テレビを観ていて「かっこいい杖だ」と思っていたからプロップ風レプリカとして再現してくれた事が非常に嬉しい。

ステルス田中雷工房のプロップ風レプリカが好き。スパイダーショット&杖、最高!
モロボシ・ダンの杖。

ここまでは劇中で何度も目にするプロップだが、アンドロイド01コンパクト、ドロシーアンダーソンのブローチ、郷秀樹のペンダントは違う。一回だけの登場。

しかも、一瞬しか映らない物である。バカが付くほどマニアック!!!だから余計に楽しい。
ステルス田中雷工房の並びは田中さんのお仲間で、『ウルトラセブン』に登場したメトロン星人やクール星人の円盤を販売。これらも本当に素晴らしい。

一瞬しか劇中で確認出来ないバカが付くほどマニアックな商品。
セブンに登場する宇宙人の円盤。絶対に欲しくなる円盤。

オープンと同時に秒殺完売のソフビ

関西の人でプロップ風レプリカを作っているブースは他にもある。『懐物ヒーロー製作所』はウルトラアイに憑りつかれたメーカーさん。劇中で使われたウルトラアイを徹底的に研究し再現している。劇中で使われていた物は壊れたり塗り直しされたりしているので、それらを網羅しようとしている。

現在10数種類も作って販売しているのが凄い!ウルトラアイ愛だね。その他、ウルトラセブンがミクロ化しウルトラ警備隊のエレクトロHガンから弾丸と一緒に飛び出す飛びセブンを再現。プロップ風に作っているので当時バルサを削って作った粗さが上手く再現されている。

プロップ好きな自分には大好きな作り。これを綺麗にカッコよく作ってしまうと違うからね。
その他、ウルトラマンひな形も手ごろな大きさで再現している。サイズ感が凄く良く、仕事机に置きたくなる丁度よい大きさ。日本アカデミー賞のトロフィーもこれに代えれば良いのにって思ってしまう。

プロップ風レプリカに拘る懐物ヒーロー製作所。セブンも良いよね。

我が地元下北沢からもブースが出ている。いつもワンコ達の散歩に付き合ってくれる『レッドシャーク』の近藤さんは『メイドインアビス』の壺ミーティのソフビを発売。こちらはオープンと同時に秒殺完売。物語は凄く悲しいのだが、ソフビはとてつもなく可愛いので部屋に飾りたくなってしまう。

レッドシャークのソフビは毎回イベントですぐに売り切れてしまう。

下北沢で旋風を巻き起こしている『SWINGTOYS』のソフビも大人気。店主の白神君は神がかった勢いでソフビを売りまくる。地元が頑張ってくれているとこちらも嬉しくなるぞ。がんばれ下北沢軍。

SWINGTOYSの群神のソフビ達。神がかりの白神君がオーナー。

その他では、ソフビ製造工場を持っている『シカルナ工房』はアトム関連のソフビが充実していた。人工太陽を見てアトム好きは大興奮。写真を撮りSNSにアップしたりワンフェスに来れなかった友達に送ると「人工太陽だ!!!」と反響が凄い。自分も現場で「うわ~!!!!」と声をあげてしまったからね。

シカルナ工房はアトムが充実。人工太陽、素晴らしいね!

レジェンドにも遭遇!

一般ブースと別のホールに企業ブースが並ぶエリアがある。企業ブースエリアは冷房が効いていて過ごしやすかった。気持ちの良いエリアには円谷プロも出展していた。

今回は『ウルトラマン』で科学特捜隊フジアキコ隊員を演じた桜井浩子さんが写真集『act ULTRA』を発売したので、写真集発売&サイン会が行われ、イベントステージでは主催の海洋堂・宮脇修一センムとトークショーが行われた。レジェンドに会えるのもワンフェスの楽しさ。

写真集を購入し、桜井さんのサインを頂いた。そしてその時、特別に国宝級お宝の科特隊ヘルメットを持たせていただき記念撮影。このヘルメットは当時桜井さんがかぶっていたものだ。

桜井さんの写真集『act ULTRA』は素晴らしい写真が沢山あるぞ!

コロナ感染者が増えている時期だったが、沢山のフィギュアと人に囲まれた空間がとても居心地良かった。
一日も早く迷惑なウィルスとおさらばしたい。厚生省の皆さん、東大という呪縛から解放され他の大学の研究結果を受け入れようよ。

そして、早急にコロナウィルスの薬を作り認可して、前の生活を送らせてくださいよ。官僚さんの中にもフィギュア好きはいるでしょ?ワンフェスに参加すれば、この気持ちがわかるから。
フィギュア好きには最高の空間。だから、もっともっと盛り上がって、もっともっと大きなイベントになってもらいたい。

次回は来年の二月を予定。冬は大嫌いだけど、二月が待ち遠しい。その時にはコロナなんて怖くないウィルスになっていてくれ。

なべやかん

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