「現実味を感じ心に響いた」高校生が見た東北のいまは 被災地訪問を報告ー静岡・清水東高

静岡市の清水東高校では8月31日、夏休み中、東日本大震災の被災地を訪問した生徒たちが全校生徒に向けて報告をしました。「考えている時間が命とりになる」被災地を回った経験から事前の備えの大切さを訴えました。

<清水東高校2年 生田碧衣さん>

「(被災地には)いくつもの悲しい話や恐ろしい写真があった。ですが、恐怖を知ることは助かるための手段」

対面とオンラインで全校生徒およそ840人に報告をしたのは、清水東高校2年生の生田碧衣さんと平山暖さんです。2人は8月16日から2日間、静岡県教育委員会が主催した東日本大震災の被災地を訪ねる研修に参加しました。

研修では、74人もの児童が津波の犠牲となった宮城県の大川小学校や震災後新しく造られた岩手県の防潮堤を見学。静岡でも巨大地震が懸念されることから“事前の備えの大切さ”を訴えました。

<平山暖さん>

「(大地震の際は)慌ててしまい、正しい判断ができないかもしれないし、その考えている時間が命とりになってしまう。第2避難場所、第3避難場所やそこに行くまでにどんな危険性があるのかほかに逃げ道がないかなど、前もって考えていただきたい」

また、岩手県沿岸部の山田町で危機管理室長をしていた白土靖行さんが講演し、発災直後は被害状況の把握などのため、72時間寝ずに対応した話をした上で、地震の際はまず自分の命を守ることを大切にしてほしいと呼び掛けました。

<白土靖行さん>

「互いを信じてそれぞれに自分の命を自分で守る。逃げることが一番大事。2つ目も逃げること、3つ目も逃げること」

<清水東高校2年 前田彩花さん>

「津波の経験がなく、想像がつかない中で現実味を感じたというかうまく表せないがすごく心に響いた」

<清水東高校1年 中村隼さん>

「日頃からどこに逃げたらいいのかを把握してそこから人に伝える活動をしたい」

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