最低賃金の全国平均額が上昇も…それだけでは足りない、変えるべき社会構造とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。8月24日(水)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、“最低賃金”の全国平均額が31円増となったニュースについて、意見を交わしました。

◆今年度の最低賃金は31円アップ、全国平均961円に

厚生労働省は、今年度の最低賃金の全国平均額が現在より31円上がり、時給961円になったと発表。

このうち、国が示した目安額を上回ったのは北海道と21の県で、昨年度の7県から約3倍に増加。

都道府県ごとの最低賃金は10月以降、順次適用されます。また、全ての都道府県で時給が850円以上に。こうした背景には、急激な物価の高騰に加え、人手不足が深刻な地方で隣接する地域や大都市圏への人口流出を抑えようとする動きが強まったこともあり、賃金の水準が低い地域を中心に目安超えが相次ぎました。

◆起業した立場のZ世代も関心を寄せた最低賃金のニュース

このニュースに大きな関心を寄せたのは、政治プラットフォーム「PoliPoli」代表の伊藤和真さん。「今、物価が上がっている分、生活が苦しくなっているわけで、企業全体がしっかりと賃金を上げていかないといけない」と所感を述べます。

そして、「そもそも日本は賃金が低い」と嘆きます。例えば、優秀なエンジニアであれば普通のエンジニアよりも100倍の生産性を上げることがあるものの、それほど賃金は上がりません。そうした例を引き合いに、伊藤さんは「上限的な意味も含め、賃金をどんどん上げ、経済を回すということが企業として求められる」と主張します。

microverse株式会社 CEOの渋谷啓太さんもこのニュースに言及。起業前にさまざまな会社を経験したという渋谷さんは「自分の能力が上がっていくことに対して、所得が上がっていくスキームが社会になさすぎる」と日本の問題点を指摘。

そして、「最低賃金を上げることも当然大事」と前置きし、最終的に所得が増やせるかどうかは自分の能力に起因するところが大きいものの「現状の社会構造では自分の能力を伸ばしたところで、収入がすごく増えるかといえばそうでもない」と主張。そうなると、自分の能力を伸ばすメリットがなく、伸ばさなくてもいいという考え方に陥ってしまうことを危惧し、「もっと能力・アウトプットに対して上限なく払われるような構造・社会を僕らが作るべき」と力説します。

株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんも、渋谷さんの意見に同意しつつ、「これからの時代を生きていくときに、給料が上がっていく国でないと希望も未来もない」と憂い、「そのためのスキルを希望したときに誰でも受けられるようにしておける教育状態、大人になってからでも受けられるようにすることを推していきたい」と訴えていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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