総社初の重症児デイサービス 佐薙さん開所 CFで資金募る

「多機能型事業所LaLa」でおもちゃを手作りする佐薙さん(右)とスタッフ

 重い障害でたん吸引などが欠かせない医療的ケア児を日中預かる総社市初の「重症児デイサービス」(同市門田)が1日に開所。長男(4)が重い障害を持つ佐薙(さなぎ)幸一さん(32)=同市井尻野=がクラウドファンディング(CF)で資金を募り、運営開始にこぎ着けた。

 佐薙さんの長男は出産時のトラブルで脳に障害があり、24時間付きっきりのケアが必要という。下に双子のきょうだいもおり、夫婦で育休を取っての育児も限界に。退職して一般社団法人を設立するなど準備を進めていた。

 施設名は「多機能型事業所LaLa」。平屋143平方メートルに、リハビリや療育を行う部屋のほか、光や音で五感を刺激し発達を促す「スヌーズレン」の専用部屋も設けた。受け入れは1日5人。午前11時~午後5時、事業所のリーダー役となる児童発達支援管理責任者や看護師ら専門職がケアに当たる。

 資金調達は金融機関の融資に加え、山陽新聞社などが運営するCFサービス「晴れ!フレ!岡山」を活用。約1カ月半で約270人から目標の5倍超の509万円が寄せられた。たん吸入器などだけでなく、送迎用車両の購入費などを賄えた。

 専門職の確保には苦戦したが「CFを通じた人のつながりで紹介してもらえた」と佐薙さん。8月10日付で開所に必要な指定通知が県から届いた。

 既に総社を中心に、利用希望などに関する問い合わせが10件ほど寄せられている。佐薙さんは「これほどの支援を受けられるとは思ってなかった。まずは運営を軌道に乗せ、関わる人全てが幸せになれる施設を目指したい」と話している。

 問い合わせは、一般社団法人KaiKai(kaikai.okayama@gmail.com)

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