コロナ感染者も「避難可能」災害時の避難所で受け入れ準備 フロア区分けや宿泊施設案内を想定する自治体も

 台風11号の暴風警報は31日夜に解除されたが、避難所を開設した一部自治体では、新型コロナウイルスの自宅療養者や濃厚接触者の受け入れも想定して準備を進めていた。

 県対策本部によると、自然災害の恐れがある地域に住む自宅療養者には、宿泊療養施設を案内しているという。ただ、入退所調整は午後7時までで、暴風域に入ると調整業務は休止する。夜間に災害の恐れを感じた場合は市町村の避難所を利用する必要がある。

 那覇市内9カ所に設置された避難所の一つ、市銘苅のなは市民協働プラザでは、2階が一般向け、1階を新型コロナウイルスの自宅療養者や体調不良者向けと分けて設置。数メートル間隔でパーティションテントを設置し、換気も十分に行っていた。

 災害時の緊急避難措置のため、感染者の健康観察や医療行為はできないが、職員が定期的に様子を確認し、急変時などは救急搬送要請も想定しているという。担当者は「感染者でも避難できる体制を整えている。受け入れ施設も調整できるので事前に連絡してほしい」と語った。

 (嘉陽拓也)

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