「9億円受け取り」信じている様子 中2が30分説得、特殊詐欺被害防ぐ

特殊詐欺を未然に防ぎ仲川署長から感謝状を贈られた井内さん(京都府亀岡市安町・亀岡署)

 特殊詐欺の被害を防いだとして京都府警亀岡署は、中学生に感謝状を贈った。指示通り入金すれば「9億円を受け取れる」。相手の話す内容に「詐欺ではないか」と不審に思い、交番に連れて行き、新たな被害にストップをかけた。

 育親中2年井内諒さん(14)=京都府亀岡市宮前町。被害者を20~30分にわたって説得し、だましとられるのを防いだ。「本当に信じている様子だったので、助けることができてよかった」と話した。

 井内さんは7月21日、イオン亀岡店で友人と待ち合わせていた時、70代女性に声をかけられた。女性は「日本総合支援協会」と名乗る団体から「9億円受け取れる」とのメールを受け取り、手数料として電子マネーで2千円支払うよう求められていた。

 女性は電子マネーを購入したが、サイトへの入金方法が分からなかった。話を聞いた井内さんは不審に思って「詐欺ではないか」と伝えた。最後は女性を近くの交番に連れて行った。

 8月17日に同署(同市安町)で贈呈式があり、仲川琢也署長から井内さんが感謝状を受け取った。

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