「相棒」杉下右京×亀山薫コンビ復活記念! season1~7を一挙放送

CS放送のテレ朝チャンネル1・2は、テレビ朝日系で10月から「相棒 season21」(水曜午後9:00、開始日未定)がスタートすることを記念して、9月5日から10月にかけて、season1~7までを順次放送する(season7は第9話まで)。

2000年にスペシャルドラマとして誕生して以来、国民的ドラマとして定着した「相棒」は、シリーズを通じて挑戦を続け、進化してきた。そして、season20で卒業した冠城亘(反町隆史)の後を継ぐ“5代目相棒”が薫であることが発表されると、驚きとともに日本列島を興奮の渦に巻き込んだ。

「相棒 season21」は、杉下右京(水谷豊)の初代“相棒”である亀山薫(寺脇康文)がおよそ14年ぶりに復活。その地上波放送開始にあわせ、同局では1・2の2波を利用して、レギュラー放送の第1シリーズ「相棒 警視庁ふたりだけの特命係」から、薫が警視庁を去った「相棒season7」の第9話までを届ける。長きにわたって老若男女、幅広い世代から支持を集める大人気シリーズの原点ともいうべきエピソードの数々が完全復活する。

チャンネル2で、9月5日に「season1」(午後5:30)、9日に「season2」(午後5:30)、19日に「season3」(午後5:30)を、チャンネル1では、10日に「season4」(午前9:00)、18日に「season5」(午前9:00)、10月に「season6・season7(第9話まで)」(放送日未定)を各シーズン一挙放送。

今でこそドラマの舞台として耳慣れた存在となった「特命係」だが、そもそもは警視庁をやめさせたい厄介者を送り込む“追い出し部屋”。そこに所属するのが、優秀なキャリアだが、正義感が強く融通が利かないため、警視庁内でも“変人”扱いされた右京。右京と“2人だけ”の特命係は、薫が異動してくる前に6人が1年も持たずに退職していた。そこに薫が異動となったのは、捜査一課である失態を犯したから。そんな事情もあり、薫は常に捜査一課への復帰を狙っており、右京とは距離を置こうとしていた。

そんな水と油ともいえる2人が、よき“相棒”となって難事件を解決していくが、しょせんは特命係。捜査本部などに入れてはもらえず、落語など趣味が合うことで、警視庁内でも右京の数少ない味方である鑑識課の米沢守(六角精児)などから得た情報をきっかけに、勝手に捜査を開始しては煙たがられる。

いわば、今でいうところの“クセつよ”の初期設定が、これまでの事件捜査ドラマとは一線を画す魅力でもあった今シリーズ。さらに、特命係の2人に絡んでくる人物たちも、米沢をはじめ、一癖も二癖もある面々だ。右京のかつての直属の上司で、警視庁長官官房室長にして、右京を特命係に追いやる因縁を作った小野田公顕(岸部一徳)などは出色。政界の大物とも通じる実力者でありながら、右京の類まれな能力を認めており、特命係が時に政界を揺るがすような事件を担当したのも、小野田の影響が大きい。ただし、右京の正義感を嫌悪しており、敵なのか味方なのか分からない存在。ところが、時には右京と2人で回転ずしを食べ、レーンに皿を戻したり、お茶の入れ方が分からなかったりして、右京にたしなめられるというようなほっこりしたシーンも。

さらに、捜査一課の刑事・伊丹憲一(川原和久)は、ちょくちょく現場で顔を合わせる特命係を敵視しており、お決まりのセリフが「特命係の亀山ぁ!」。時には極端に短くして「トクかめ!」と言って薫の怒りを買ったことも。その伊丹と行動を共にする刑事・三浦信輔(大谷亮介)や芹沢慶二(山中崇史)もかかせないキャラクターだ。年長の三浦は温厚で、右京の実力を知りながら「警部殿」と困った顔をする。一方、芹沢は先輩の薫につい捜査情報を漏らしてしまい、伊丹に怒られることもしばしば。なお、三浦は「season5」の第4話「せんみつ」で特命係に捜査一課では扱えない事件の捜査を依頼している。

そのほか、特命係の隣の部屋におり、「暇か?」と嫌みとも受け取れる一言とともにやって来てはコーヒーを飲む、組織犯罪対策第5課の課長・角田六郎(山西惇)、角田の部下で常に特命係の部屋をのぞいている大木長十郎(志水正義)と小松真琴(久保田龍吉)など多彩な顔ぶれが、何かと捜査に絡んでは右京と薫をサポートする。「相棒」を人気シリーズへと押し上げたこれらのキャラクターと設定が、今回の放送で堪能できる。

そして、珠玉のエピソードの数々も見逃せない。カクテルバーの名バーテンダーが作るカクテルに込められた思いをゆっくりとひもとき、右京が殺人事件の犯人と高度な心理戦を展開する「殺しのカクテル」(season1・第7話)。1000回のうち3回しか本当のことを言わない「せんみつ」と呼ばれる大うそつきの男のうその証言を巧みに見抜き、住居侵入・窃盗未遂事件から大事件へとつなげていく「せんみつ」(season5・第4話)。そして、太った女性がトイレのドアに挟まり、動けなくなったことから死亡する奇妙な出来事を、ささいなことから右京が事故死ではなく殺人事件と推理し、犯人を追い詰めていく同じく「Wの悲喜劇」(season5・第13話)など、人間の心理を絡めながら解決していく秀作が並ぶ。そんなバラエティー豊かなストーリーもシリーズを支えてきた魅力の一つであり、右京が薫とコンビを組んできた中で確立したものといえる。

待望の復帰となる薫と右京のコンビで、新たな化学反応を期待される新シリーズ放送開始を前に、数々の名場面を振り返る貴重な機会となることは間違いない。

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