公園に無断でつながれたペットのタカ 「危険」と逃がす… 横須賀市に賠償判決

横須賀市役所

 横須賀市は1日、公園に無断でつながれていたペットのタカを野生のトビと勘違いして市職員が逃がしたとして、市に30万円の賠償を命じる横浜地裁横須賀支部の判決が確定し、賠償金を支払ったことを市議会で報告した。

 市公園管理課によると、2020年9月29日、市内公園の利用者から「フェンスの上にトビがいて、子どもに危険」と市に電話があった。近くに住む男性が飼っていたタカの一種「ハリスホーク」が足輪と革ひも、ロープでフェンスにつながれていた。男性の自宅で塗装工事があり、無断で公園に放置していた。 

 公園に駆け付けた市職員2人は「野生のトビがひもに絡み付いている」と勘違いし、革ひもをはさみで切って放していた。タカはその後、戻ってきていない。

 所有者の男性が55万円の損害賠償を求めて市を提訴。今年6月10日の判決で職員の行為を「意図的につながれているのか識別できないことは考え難く、所有権を侵害した違法行為」とした。一方、飼い主がタカを公園に放置したのは「危険性を有する行為」とし、市の責任を3割減じた。

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