「防災の日」に静岡県内で大規模災害を想定した訓練 新型コロナの影響で3年ぶり実施の自治体も

「防災の日」の9月1日、静岡県内各地で大規模災害を想定した訓練が行われました。新型コロナの影響で久しぶりの訓練となった自治体もあり、感染対策を意識した動きが目立ちました。

<静岡市 田辺信宏市長>

「すべての職員は市民の生命身体及び財産を保護するため、被害情報の収集に努めてください」

静岡市は、駿河湾沖で南海トラフ巨大地震が発生し、震度7を観測、津波も到達した想定で職員の動きを確認しました。新型コロナの影響で全職員およそ6000人が参加しての訓練は、3年ぶりでした。

<和田啓記者>

「静岡市立中田小学校の会場では段ボールベッドを作っています。これが感染対策にも活きるということです」

避難所では、生活空間を仕切り、感染対策にもなる段ボールベッドを組み立てました。

静岡市危機管理総室佐藤航平さん

「(段ボールベッドは)間仕切りがあるため、プライバシーの確保、距離を保てる。床が高くなるのでほこりの吸引も防げる」

段ボールベッドを体験した静岡市職員

「はっきり区切られているのでそこ(感染対策)は安心かなと思う」

静岡市は訓練が実施できなかった期間を振り返り、職員の危機意識を取り戻したいとしています。

島田市の保育園では、安全の確保とともに防災用の給水タンクの使い方などを学びました。

<園児>

「お水のこと勉強した。大切だなと思った」

0歳児も利用する保育園。新型コロナの感染対策にも気を配ります。

<こばと保育園 森下かおる園長>

「0歳から2歳児までと3歳児から5歳児までの幼児とそれぞれわかれて話をするような形で分散している。みんな集まってというのが難しいところがあるので少人数でというところを気を付けています」

お昼ごはんも防災一色。園で備蓄している非常食を食べました。黙食を徹底する子どもたちに笑顔が見られ、味も満足だったようです。

<訓練の様子>

「今、下の方に映っている住宅街は、かなり床上浸水などが発生したエリアとなっている」

富士市は被害状況を迅速に把握するため、今年度「Hec‐Eye(ヘック・アイ)」と呼ばれる新しい情報共有システムを導入しました。

ドローンやスマートフォンで撮影した映像に位置情報を付けて、リアルタイムで視聴することができます。

訓練では富士市の江尾地区にドローンを飛ばし、災害対策本部では富士市の職員などおよそ50人が映像を確認しました。

9月4日には、島田市、牧之原市、吉田町、川根本町をメイン会場に住民参加型の静岡県の総合防災訓練も予定されています。

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