正体が判明「謎の巨大水柱」は“温泉”…長万部町(おしゃまんべと読みます)住民困惑

以前、SASARUでも取り上げた、8月8日に突如噴き出した長万部町の巨大水柱。成分調査の結果、水温21.5℃の温泉水であることがわかりました。

2週間以上たった今でも轟音とともに噴出を続けるこの巨大水柱…。轟音のほかにも、住民たちは新たな問題に直面する可能性が出てきました。

巨大水柱の正体が“温泉”と判明

8月8日に突如噴き出し、2週間以上経過した今でも勢いが衰えない巨大水柱。成分調査の結果、その正体は水温21.5℃の温泉水だと判明しました。

微量のヒ素が含まれていますが、基準値を下回っているため人体に影響はないとのこと。

道総研 エネルギー・環境・地質研究所の高橋 徹哉さんは「長万部温泉の温度は50℃くらいで、成分もかなり濃い。水柱が21.5℃ということを考えると、どこかで冷たいものを巻き込んで上がってきている」と話します。

温泉水の成分は塩分の強い食塩泉のため、検査機関によると近くの建物や車にさびが出る危険性があるそう。

また、鉄やマンガンを多く含んでいることから、茶色や黒い色がつく可能性もあります。

付近の住民は「風向きによって家に水が飛んでくることもあるので、少し気になる」や「車が汚れたり、洗濯ものが干せなかったりして困っている」と話します。

地域住民が悩まされる轟音や路上駐車…

水が飛んでくるだけでなく、地域住民を困らせているのが轟音の問題です。2週間以上に渡って24時間続く轟音に、耳栓がないと寝られないと話す地域住民も。

応急処置のため、8月22日に工事用の防音シート8枚を、水柱を取り囲むように設置しました。騒音がどれくらい軽減されるのか、テストするとのことです。

また、この勢いよく噴き出す水柱を一目見ようと、多くの見物客が訪れています。

「神秘的」や「迫力がある」など水柱の光景を楽しんでいる人も多いようですが、町道や民家の前などへの路上駐車に悩まされる地域住民の存在も…。

実際に取材当日は、“路上駐車ご遠慮ください”のお願いが書いてあるにも関わらず、カーブを曲がったかなり先まで車の列が続いていました。

今後の動向から目が離せない!

町の職員などが交通整理を行うなどの対策を取っていますが、まだまだ減りそうにない見物客。

長万部町の木幡 正志町長は「観光地化は一切考えていない。最大の願いは今回の水柱の噴出が止まってくれること。普段の生活を取り戻せるようにしたい」といいます。

町によると、60年以上前に石油資源や天然ガスの採掘のために掘った井戸が11か所あり、そのうちの一つから水柱が噴き上がったとのこと。

今後一体どのように水柱が収まるのか。動向から目が離せません。

*みんテレ8月23日OAのものです

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