どこにあるか知ってる? 公衆電話、20年で7割以上減少

携帯電話の普及で減り続けている公衆電話。災害時の活用が注目されている(和歌山県田辺市新屋敷町で)

 携帯電話の普及で、公衆電話が減り続けている。和歌山県内では過去20年間で7割以上減少した。しかし、大規模災害時は公衆電話の方がつながりやすい。7月上旬のKDDI(au)の大規模な通信障害でも注目を集めた。公衆電話はどこにあるのか。いざという時のために、普段から確認しておく必要がありそうだ。

 NTT西日本和歌山支社によると、県内では2000年3月に5771台あったが、22年3月には1366台まで減少した。

 公衆電話には法令で設置基準が定められた「第1種」と、利用が多く見込まれる場所に設置される「第2種」がある。22年現在の内訳は1種が965台、2種が401台。

 1種は戸外での最低限の通信手段を確保するため、常時利用できる場所や立ち入りしやすい場所に設けられるが、設置基準が緩和され、今後さらに減少が見込まれている。

 一方で、災害時に避難所などで運用される通話無料の「特設公衆電話」は近年増えており、緊急時の活用が見直されている。

 NTTは一般の公衆電話の設置場所をホームページに掲載している。住所から検索すると地図上に表示される。ただし、通信障害時は端末で調べられないため、事前に把握しておく必要がある。

 公衆電話を使ったことのない世代も増えている。公衆電話の受託者らでつくる日本公衆電話会は、コロナ禍で休止しているがイベントで使い方を教えたり、災害伝言ダイヤル171の操作体験会を開いたりしている。

 同会関西統括支部は「小学生はタッチパネルに慣れていて、数字のボタンに触れるだけで押さない児童もいる。ダイヤル式になると全く分からない」と話す。

 18年の大阪北部地震で携帯電話がつながりにくくなった際、公衆電話を利用しようとした若者が、テレホンカードの投入口に紙幣を入れようとしていたこともあるという。

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