宇高連絡船 4日に34年ぶり復活 玉野の愛好会 急行「鷲羽」に接続

34年ぶりに「宇高連絡船」として運航されるカーフェリー「せと」

 かつて本州と四国を結んだ「宇高連絡船」が4日、34年ぶりに1往復限り復活する。JR西日本が岡山県などと展開する大型観光企画・岡山デスティネーションキャンペーンの一環で急行「鷲羽」が姫路―宇野間でリバイバル運行されるのに合わせ、玉野市の市民グループ「宇高連絡船愛好会」が企画した。

 宇高連絡船は1910年に就航。旅客や貨物、貨車を運ぶ基幹交通として活躍したが、瀬戸大橋の開通を機に88年に廃止され、フェリー航路も2019年に休止した。

 復活運航には、船体が白、煙突がオレンジなど共通点が多い四国汽船(香川県直島町)のカーフェリー「せと」をチャーター。往来が盛んだった昭和30~40年代の様子を再現するため、出港時に紙テープで見送るほか、人気だった「あなご飯」の弁当や冷凍ミカンを船内で販売する。

 同愛好会の三村卓也会長は「連絡船の歴史や果たしてきた役割を若い人たちに見て体験してもらえれば」と話している。

 定員500人で、当日午前10時から宇野港フェリー乗り場で乗船券を発券する。「鷲羽」が同11時10分にJR宇野駅に到着するのに合わせて同11時45分に出港。高松港に到着後折り返し、宇野港午後2時55分着予定。荒天時欠便。乗船料(往復)は2千円、小学生以下千円。車の輸送は行わない。問い合わせは三村会長(090―1337―7660)。

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