高齢者「足」支えます 住吉地区に乗り合いタクシー

宮崎市住吉地区で運行が始まった乗り合いタクシー「すみよし号」

 宮崎市住吉地区で1日、デマンド型乗り合いタクシー「すみよし号」の運行が始まった。住民でつくる「住吉地区乗合タクシー運行協議会」(岡武義会長、12人)が運行主体となり、高齢者らの移動手段を支える。同市内での乗り合いタクシー導入は6地域目。
 利用は登録制。地区在住の70歳以上や、6歳以上で自宅と最寄りのバス停が300メートル以上離れている人らが対象。自宅とスーパーや病院、金融機関など54カ所を行き来でき、2人以上で乗り合わせた場合は料金が安くなる。
 住民アンケートで交通の利便性向上を望む声が多かったことなどから、2020年に導入を検討。21年4月に同協議会が発足し、昨年8~11月に試験運行を実施するなど準備を進めてきた。本年度の運営経費は112万円を見込み、半額程度を市の補助金で賄う。
 今月1日に住吉地域センターであった記念式典は、住民や関係者約30人が出席。地元の保育園児が太鼓演奏を披露し、「すみよし号」のステッカーを貼ったタクシーがお披露目された。
 岡会長(71)は「住吉地区は南北の交通網は充実しているが、東西の移動に困っている人が多かった。家にこもりがちな人の外出を促す福祉的な役割もあり、地域の足として浸透させたい」と話していた。

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