国重文の阿蘇神社「楼門」棟上げ 熊本地震で倒壊、23年末の完成目指す

阿蘇神社楼門の棟上げを「曳綱の儀」で祝う参列者=2日、阿蘇市

 国指定重要文化財で2016年の熊本地震本震で全壊した阿蘇神社(熊本県阿蘇市)の楼門の上棟祭が2日、氏子や地域住民ら40人が参加してあった。工事の進捗[しんちょく]率(事業費ベース)は85%で23年末の完成を目指す。

 1850年に建立された楼門は倒壊後、部材の一つ一つに目印を付けて解体し、建築当時の木材の7割を活用。熊本地震と同規模の揺れに耐えられるよう、楼門内部を鉄製の鋼管柱で補強した。21年2月の立柱祭後に組み立てが始まり、同7月に下層がほぼ完成。同11月に上層の組み立てに取りかかっていた。

 上棟祭では、参列者が綱を握り棟木を上げる所作をする「曳綱[ひきつな]の儀」や、工事関係者が「千歳棟[とう]、万歳棟、永[えい]永棟」と声を出しながら棟木を木づちで打つしぐさをする「槌打[つちうち]の儀」などで、楼門が末永く残ることを祈った。祭り終了後には餅まきもあった。

 阿蘇惟邑[これくに]宮司は「地震後、住民の方が『楼門が厄災をかぶり、私たちを守ってくれた』と話してくれた。皆さまのお気持ちやご協力に応えられるよう工事を進める」と話した。

 今後は屋根の銅板葺[ぶ]きや上層の妻部分の組み立てなどの後、23年2月ごろから工事現場を覆っている素屋根の解体を始める。(植山茂)

「槌打の儀」で木づちで棟木を打ち付ける仕草をする工事関係者=阿蘇市
上棟祭終了後あった餅まきに集まる参拝者ら=阿蘇市

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