横断歩道は信号機と同じ「人がいたら止まれ」 道路横断中の死亡事故、福井県は全国平均の2倍

横断中の事故(人対車両)発生件数

 横断歩道は、法律により車に停止義務が定められた、信号機と同じ交通安全施設です。歩行者が横断しようとしているときは、一時停止をして道を譲らなければなりません。違反すれば、赤色信号無視と同じ点数(2点)・反則金(9千円)=いずれも普通車の場合=が科せられます。

 JAF(日本自動車連盟)が2021年に調査した、信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止率は、福井県は約2割(全国40位)と非常に低い結果でした(1位は長野県で停止率は約9割)。裏を返せば、約8割のドライバーがルールを守っていないということです。

⇒人口当たり交通事故死者、福井県が全国ワースト 2022年統計、平均の2倍以上の多さ

 横断歩道の端に歩行者がいるとき、それは赤信号と同じ「止まれ」の合図です。信号機は守るけど、横断歩道のルールは守らない―それはおかしいですよね。

 イタルダの分析では、県内での道路横断中の死亡事故発生件数は全国ワースト6位で、全国平均の約2倍です。約8割のドライバーが横断歩道で停止しないことが影響しているのかもしれません。

 道路は「車優先」ではなく「歩行者優先」。横断歩道の手前では速度を落とし、歩行者がいたら、ほかの車が止まらなくても、赤信号と同様、まず自分が止まる行動が大切です。

(福井県庁県民安全課)

 イタルダ 交通事故総合分析センターのこと。過去5年間の福井県の交通死亡事故データに基づき、他県と比較した事故の特徴などについて分析。結果の概要を県のホームページで公開している。

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